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TOPTOPICS消費税の増税とTPP参加を考える>日本のTPP参入が正しい選択か その2

消費税の増税とTPP参加を考える

◆日本のTPP参入が正しい選択か その2

【スペインのラ、マンチェ地方の農業を視察して】

オランダからスペインまでは航空機で約2時間半、北海道と九州の距離である。
勤勉で几帳面なオランダ人、優雅でのんびりとしたスペイン人、同じEU圏内でも農業の取り組みは全く違う。ラ、マンチェ地域は、スペインのマドリットから自動車で西南に2時間の地域である。主な農産物は、ブドウ、小麦、にんにくである。

首都マドリットから2時間の間、日本で見られる山の姿は全く存在しない。平坦に近いなだらかな大平原である。

この地方の年間降水量は約300mm、夏期は乾燥する大地であり、ブドウには最適な気候である。穀類、にんにく類は秋に播種し夏までに収穫を終える。9月にはブドウを収穫し、10月に小麦、にんにくの播種を行い、春先にブドウの剪定作業、1年の農作業のサイクルを描く。多くの農家は、ブドウ、小麦、ニンニクの3品目を栽培している。面積当たり収穫額はニンニクが一番で次がブドウ、そして小麦である。大平原には家畜の飼育はほとんど見られない。
大きな大地は全て年間1作である。


大草原には農家の家が見られない、農機小屋がぽつんと建っている。

ブドウ畑石ころだらけである

剪定前の葡萄畑

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 ■San Isidoro  "EI Santo"ニンニク生産組合の取扱量は世界的にも大きな組織である。
年間取り扱い数量、ニンニク9000t、冷蔵倉庫は9000tの貯蔵量である。
大型除湿乾燥機が2機、大型選別機が5列に並び、主にEU、英国等に広く輸出されている。スペインのにんにく総生産量は約14万トン、組合は、スペイン国内の生産量の6.5%を取り扱っている。

日本のニンニクの年間生産量は約2万トンであり、一つの組織でほぼ日本の全生産量の半分近くを取り扱っている。組合員数は、約700所帯、1haに対して平均生産量は7t、1農家平均約13トンの生産量、大きな農家は40haのニンニクを生産している。
面積当たりの収益ではニンニクが最高と説明されていた。但し面積に対して球根のコストが高く、栽培環境が悪化するとダメージも大きくなる。

平均出荷額は1kg/約1.5ユーロである。農家のニンニクの平均収穫額は約200万円である。(日本のニンニクの平均単価は約600円/kg)
作付けは大型農業機械と自動播種機による作付けである。大きな畑は1枚で30haにもなり、規模の大きさがすごい。直線で500mのニンニク畑が現実に栽培されている。 

畑の中は、驚くほど大きな石がごろごろしており、農機を入れると歯こぼれがすごいのではと思われたが、日本の農地のような起こし方ではなく、荒い作業で処理されている。一昔前は鍬が入らず木の棒で起こしていた絵があり、スペイン人の農夫の大きな身体の基礎を作っていたのである。何故、農地を起こすのに鍬ではなく、木の棒なのかは農地の現場を見るまでは理解できない。


 1片が500mのニンニク畑、大きな石がごろごろと見られる。
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大平原が広がる農地には所々に崩れた煉瓦造りの壁が残されているが、生産農家の家屋が見られない。青い空、広大な大地、農地に生産者の姿が見られない。
農業生産者も土日祭日はお休みらしい。
農地には生産者も家畜の姿もみられない。延々と続くブドウの株が並ぶ大地、畑一面に広がるニンニクの葉、そして小麦の青い葉が広がっているだけである。ヒバリの声、ウズラのつがい、カケス、野鳥の種類は多く、野ウサギが駆け回っている。

米国でもスペインとおなじEUのドイツやオランダでも大平野の農業地域は散村風景が普通である。スペインのこの地方では、大平原に点在している農家の姿が見られない。
スペインのこの地方では、農家の家屋や家屋のそばに飼育されている家畜が存在しない。
ぽつん、ぽつんと建っているのは農小屋やポンプ小屋であり、住居ではない。
スペインのラ・マンチェ地方では農業経営者は職住一体ではなく農業生産者が街で生活されている。

4月中頃の朝、6時はまだ暗く、足下は、暗くおぼつかないが、朝の太陽が登るまでに農地まで歩いて出かけた。薄暗い中に農地が続く、農家の家から電灯の明かりが灯ることを期待したが、全く明かりが見えてこない。農家が存在しないのである。
足下にすばしこく走る小動物の姿がある。ブドウの株とおなじ色で見分けが付かないが、すばしこく走り回る。外気温度はマイナスであり、恐ろしく寒い、1時間近く畑を歩いていると東の空が薄明るくなり始めた。

ぶどう畑には、草が見られない。ニンニクの畑にも雑草が生えていない。
農地は人の拳の大きさの石ころがごろごろと転がっている。ブドウやニンニクの畑には、畝は作られているが、高い畝ではなく10cm程度の一条の畝で、延々と続いている。長い畝で500m近い長さで一直線に見事に畝が作られている。日々の御所の散歩から歩く時間から距離感は解りやすい。

この広大な農地を除草することは人手では困難である。
過去に秋田県の鹿角市田代平で500mの畝を作り草取り作業の難しさを体験している。
除草の根気が続かないのである。
石ころがごろごろした大地を歩くことは疲労度が強く、平坦な農地を歩く3倍のエネルギーが必要で足腰の強度が求められ農作業は重労働になる。
草取りを人手で行うのは至難の業ではなく、除草剤に頼る以外に困難である。

広大な農園に草が生えていないことは、除草剤の助けによる効果である。
この大地で無農薬、有機栽培を実践するには、不耕地自然農法に限るが、大地には全て機械が入っている。放棄地や休耕地は見られない。
暗い畑の中で、すばしこく走り回っていたのは、小型の野ウサギである。除草されている大地に唯一の餌、ブドウの新芽を食べているようである。日本の山ウサギと違い、草地をかけずり回る野ウサギは風に飛ばされている枯れ草の玉のように、飛んでいる。

野ウサギの生息から見られることは除草剤の影響が比較的少なく、環境への影響が少ない除草剤とも言える。強い除草剤は小動物の乳ガン、膀胱ガンの影響が見られる。乳ガンや膀胱ガンになると敏捷な活動が困難になり、イタチや狐、鷲や鷹の餌食になる。


延々と続くニンニク畑、改めて規模の大きさに驚く、畑には大きな石が多い

ニンニクの畑、ぶどう畑共に畝が降雨によって表土が流れ崩れている畑は見られない。

この地方では一晩に降る雨量が少なく、畝が流されることはなく、穏やかな気候が窺える。

日本では、作業効率を上げるために大規模な畑、畝を長く作っても精々50m~70m、長い畝は、一雨で畝は崩れ、濁流となって、地形が変わる。広大な面積の1枚の畑は表土と共に畝と種や苗が流失し、地形が変わり栽培効率が低下する。年間雨量1500mm~2000mmの日本と年間降雨量300mmの地域との違いである。

年間降雨量は雑草の生え方も異なり、雨は次への新芽を呼び起こす。農作業で一番大変な除草の作業量は、降雨量と外気温度に比例する。
夜間温度がマイナスでは多くの草は発芽しない。


散水用ホースドラム緑は延々と続くニンニクの畑
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   畑作が何世紀も続けられている大地としては考えられないほど石が多い。

日本人は、石があれば、手間を惜しまず取り除く、作業効率や収穫量に影響するためで、小さな面積に対する効率を本能的に認識されている。

この地方では、石によって表土が乾燥時期に飛ばされずに残っているのかも知れない。防風林や風よけなどの施設は見られない。適度な風、適度な雨、温暖な気候の大地であることを改めて見ることが出来る。湿度が高いことは菌数がおおくなり、多くの病原を作り出す、風の流れは、適度な湿度を維持しており、病原菌を減少させている。畑のニンニクにはアブラムシが見られなかった。


ニンニク専用の管理機、ニンニク播種機、5畝が自動的播種される構造になっている

 

                                                                                                                                             

San Isidroの大型施設と選果場午前10時、組合の施設を見学した。
年間9000トンのニンニク貯蔵庫は大きな施設である。北海道のバレイショやタマネギの貯蔵施設とそれほど変わらない大型施設である。


選果工場の入り口、と選別機生産者別に記録されていく。

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 生産者から持ち込まれる、ニンニクのコンテナボックスは、250kg入りの大きなボックスで、生産者名別に記載され、大型車輌でそのまま除湿乾燥、冷蔵施設に運ばれる。
12ヶ月出荷調整され主にEU圏内に販売されている。





ニンニクの空コンテナ、1ヶに250kgのニンニクが入る、9000トンの管理能力のある冷蔵施設

 


 にんにくの選別では、形状選別、サイズ選別が行われている。
形状選別は異形、変形は振り落とされ、その後サイズ選別が才数別に6段階に分かれおこなわれている。価格的には大きな玉が高く販売されている。
選果場の作業の多くは女性労働で、作業内容は世界共通で手と目の選別である。
約30%~35%が異形、変形として振り落とされる。
1haに7tの収穫があるがその内2t~2.5tが通常の出荷が困難な生産品となっている。



サイズ選別でグリーンボックスは才数別ボックス、下の段の無地の段ボールは変形果、
 選別作業では、下の無地の段ボールの法が多いこともある。
 右の選別果は選別作業からこぼれたニンニク、一日に廃棄処理されるニンニクも半端で はない。

 日本の青森の選別作業から見ると変形果の多さに驚きであるが、この差は圃場の「石ころ」の多さから来ており、現状ではこの比率を改善することは不可能である。大規模生産によって収益をカバーしている経営スタイルであるが、そのために大型農機の導入とその償却コストは経営に大きな影響を与えている。


どのような野菜や果実でも、形状は環境によって決定する。播種される土壌が柔らかい土壌であれば変形果に生育しない。硬い石や異物があればそれを避けて生育していくことは、植物は困難である。変形果の多さを栽培量でカバーしており、作付け面積が大きくなる。

肥料の農薬、播種のコストは面積に比例し拡大する。農機の持つ能力も大型になり、収益性は悪化する。変形のニンニクは低価格で取引されているようであるが価格の提示はさけていた。
変形果は加工食品などの原料として安く販売されているらしく、今回スペインの組合から要請され訪問した要因の一つには、この商品の高付加価値への転換である。

年間最低2700トンのニンニクを平均価格以上に販売できれば、生産者手取りは大きく改善できる。試算では生産者手取りが平均年間約70万円改善できる試算がはじかれていた。会議の始めに、「日本なら先ず始めに石ころを少なくする作業から始める」と説明すると、即座に返ってきた言葉は、「それは夜空の星を拾う行為である」と笑っていた。

保存庫の品温管理は、-2.5℃で管理されており、年間管理態勢が計画されているとの説明である。
冷蔵庫は高さが15m近くあり、上下の温度格差の課題が残されている。機器の操作盤には温度表示が1ヶ所で、-2.5℃の設定温度は機器の吹き出し温度と見られ、春先からの品質にばらつきが出ている可能性がある。
庫内のフォークリフトなどの操作は女性労働者が多く、過去のスペインの保守的な男尊女卑の体質からの変革が見て取れる。

余談であるが、最近スペインの農業生産者の離婚が増加傾向にあるようだ、女性の社会への進出と離婚率は比例するようで、農家の離婚は農業の継続には決定的なダメージになり、農業経営の継続が困難になる。次の組合長の家庭にも暗雲がたれ込めており、近々裁判所からの審決が降りると他の理事から話されていた。


■San Isidroの栽培管理

この組合には、直営農場と生産者組合の農場があり、生産者別に圃場管理リストが作成され2名の女性担当者によって整理されている。
生産者組合の理事の方々はスペインの「農民風」大きな身体と大きな手、訥々としたしゃべり方、農民そのものであるが 2名の女性スタッフは若く、機敏なデータ整理を行っていた。


除草剤の散布日、播種日、次の除草剤の日、生育 日誌、収穫予測日、搬入日、収穫後の収量等をコンピーピューター管理されている。

販売先は50%はEUであり、ISO認証、ドイツ、フランス、英国の消費者検査機関への提出書類は厳しく、出荷時における残留農薬検査も実施されており、品質管理のシステムはできている。
直営農場へは2名の品質管理を担当している若い女性が案内してくれた。

ニンニク畑を観察し、写真を撮り生育検査の為に数本を引き抜く手付きも、生育の説明も自然であり、実に手際がよい。
二人の検査員が案内してくれた二つの圃場の規模も半端ではない。一つは25haそしてもう一つは約30ha、二人で55haを管理している。それだけではなく700名の組合員の圃場リストを管理している。その面積は約20000haと説明されていた。

地下水をくみ上げ、散布するためのホースドラムが直径2.5m近くあり、規模の大きさに圧倒される。2つの圃場とも雑草が1本も生えていないのには、驚きである。
除草剤散布の時期に一度立ち会いたい衝動に駆られる。
出荷時におけるEUの残留農薬基準は遵守していると検査表を見せ説明していた。
日本の圃場との違いは雨量の差から生じる雑草の生え方にあり、管理コストが大きく異なる。


■午前10時のミーティング会議

ホテルの1階のレストランで10時間のミーティク会議が開催された。
参加者は組合の主だった理事10名である。
今日の目的と組合が本日の会議のために要請した来賓の紹介があった。
テーブルに着くと同時にニューを見て注文が始まった。
コーヒータイム程度の注文にしては、時間を掛けている。

 




 朝10時の会議がスタートした、テーブルにはワインとワイングラス、チーズと生ハム がそして次々と次の料理が追加される。



先ず出されたのがワインとワイングラス、オードブルの生ハム、チーズ、そして大きなパンである。朝からのワインを飲んで会議にはならないのでワインを断ると次に出されたのは、羊のスペヤーリブとサラダ、大皿にどさりと盛られている。
完全な1食分の食事の量である。

会議の議題は、「選別作業もれのにんにくの処理方法」であるが、議題に入るよりも、空腹を満たすことに熱心で、次はサッカーの話題で持ちきりである。世界中に広がった薄型液晶大画面のテレビで昨日のレアルマドリードの試合が録画される。

ワイングラスで乾杯のチンチンの音があちこちから聞こえ、既に会議にはならない。
「食べる、食べる、そして食べる」「飲む、飲む、また飲む」笑顔そして大きな会話が続く、全て議題から離れた会話で10時の会議の時間が終わり、12時の休憩タイムがやって来る。12時は昼寝の時間である。

次回の会議は2時からと理事長の挨拶で式は終了した。

理事長はニンニクの効率の改善の必要性を認識されているが、他の理事はほとんど関心が無く、課題に対する質問よりも、我々のニンニク畑の大きさの自慢話が延々と続く。
改めて、EU圏内でのスペインの国債価格の信用問題が頭を過ぎる。
スペインにおいても農業の後継者問題は大きな課題と話されていたが、オランダと違い確かに若い人男性の姿が現場にはみられない。
オランダは20代の若い人たちが希望を持ち農業に取り組んでいる。農業を次世代サイエンスとしてクリエイティブ取り組む姿勢との差であり、農業先進国と後進国との違いである。

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ラス・ペドロニョラスの町の中心地ロータリのモニュメントは主婦と子どもがニンニク を束ねている象である。

 



   ■黒ニンニクの製造施設の計画
午後2時、当日2回目の会議が始まった。この会議には、組合員理事以外に施設設計業者も立ち会い話し合いが持たれた。
選果もれニンニクを黒ニンニクに加工し、新たな加工品として販売する計画があり、その施設導入に対する説明が求められた。

組合が計画している施設の広さは135mx135m約2haの広さである。
年間100t程度からスタートしたいとの説明が前理事長から説明があり、施設のエンジニアリング設計者も同席されているのである。

日本の農業組合においても同じ問題を抱えているが、先ず施設ありき、施設投資すれば後は自動的に製品が作られ販売も可能であるとする単純な発想から投資計画される例が多い。
理事長殻の質問は、「どのような工程で黒ニンニクが生産できか?」
黒ニンニクはニンニクが高温発酵しニンニクが黒く変色した構造であり、どのような品質の黒ニンニクを作るのかは全く別である。黒く変色すればそれだけで販売できる商品ではない。製品を作ることは、それに従事する従業員を養成することであり、従業員は黒ニンニクの品質を一定の基準に基づき生産することであり、その基準は今後販売する相手が納得し継続し購入されなければ、製造しても事業とはならない。

先ずどのような施設を必用とするかも大切であるが、どのような商品を製造し今後販売していていくのか、基礎的なデータがなければ、システムエンジニアリングの設計は出来ない。と懇々と説明するが、多くの理事は納得はしない。
「我々が作っているにんにくでは黒ニンニクにはならないのか?」
「我々のニンニクの品質が悪いからなのか?」

黒ニンニクは高温熟成によって品質が異なり、熟成方法と期間が欠かせない要因であり、短期熟成でも黒ニンニクにはなるが味覚は別物である。味覚は、熟成期間と温度と湿度によって異なり、時間を掛けることによってまろやかな味覚を伴って熟成する。商品を販売することは、どのような品質に仕上げるかであり、品質を明確にし、継続し安定させなければ商品にはならない。商品の品質を決定して、始めてシステムエンジニアリングの基礎設計ができる。

現在の敷地面積、規模の大きさから見て投資金額は少なくはない。
「とりあえず、施設有りき」、で単純に機械化することは簡単であるが、マーケット調査を進めなければ、事業として成り立たない。

基礎データの為の簡単な施設を作り、データを取り、マーケット調査を開始し平行した事業計画を進めたが、果たして理解されたのか、最期まで判断に苦しむ会議が続いた。
一番簡単なデータの収集方法は、日本製の炊飯器で保温状態に管理し、データ解析を進めたが、その後の返事が返ってこない。



■スペインの量販店の価格
仕事柄、何時どこへ、どの国に出向いても、量販店や食品店を覗き、販売品目、包装形態、販売重量の単位、品質と価格を調べることは、欠かすことはない。
価格帯や商品の品質を見て歩くことは地域の生活スタイルが予測でき結構おもしろい。

スペインは、米の種類が多く、約10種類も陳列されている、さすがパエリア料理の盛んなお国柄、インディカ米、タイ米、スペインの地元産の米どれも、比較的安く、価格は1kg/0.7ユーロ~1ユーロまで、平均して1kgのパーケージである。

スパゲッティは300g~350gの包装で0.35~0.45ユーロ、どちらも日本の約1/5である。早朝9時過ぎに数点の食品を買い上げレジで計算していると、1m近いフランスパンが1本サービス、サービスタイムのおまけである。日本では250円はするフランスパンである。
鶏肉は1kg/1.5ユーロ、牛、豚肉が少し高いが2~3ユーロ前後である。全てkg単位で販売されている。
魚は比較的高く、イワシが1kg/1.5ユーロ、ニシンは2ユーロ、鮭の片身が7ユーロ、魚文化のスペインでも魚は高級食材になる。貝類も日本とそれほど変わらない。

アンチョビの瓶詰めも他の食品から見ると安くはない。オリーブオイルは日本のサラダ油の価格と変わらない。1リットル瓶で2ユーロ、サラダ油よりも多くの種類オリーブオイルが販売されており、さすが世界一のオリーブ生産国である。同時にオリーブオイルの消費も世界一の国である。
鮮度の割りには全体的に魚は高い。果物はバナナは日本と変わらない。

他の果物は品質的な違いがありすぎる。野菜は約日本の半値、アスパラガスやアーテチーク、馬鈴薯、タマネギは1kg/0.5ユーロ、イチゴは1kg/2.3ユーロ、チーズ類は1/5以下が多い。改めて日本の食品は高いことが解る。

日本の食材の量販店の高さをみて、多くの外国人は、食料品の最大のマーケットと判断され、貿易の自由化に拍車が掛かる。
世界の食料品の価格帯から今後日本の農業の道をどのようにすべきか、農業生産者、消費者は、もう一度日本の農業への道を膝を付け合わせて討議すべきである。
スペインは、EU統合によって農産物の販売価格が高騰したと消費者は、反発されている。当然ドイツでは農産物の価格が安くなり、統合のメリットが出ているのである。


■TPP参入について

貿易の自由化は最先端産業や製造規模を拡大する事によって、効率を高めた産業にとっては望ましく、反対に製造規模を拡大できない環境の産業にとっては、厳しい価格競争に曝される。製造規模の拡大や農業の生産規模が拡大できる要因の一つには、地域の自然環境の影響が大きく左右し、技術的追求だけでは解決しない場合もある。

20世紀は、自然環境への配慮は無視され、全てが競争論理によって優劣を決定させ、自然環境への影響や環境破壊の多くは見逃されてきた。そのために大規模生産から生じる環境汚染や環境破壊が増加し、その影響は今も継続している。

人類が持続的安定の中で、経済活動を継続するには、自然界、自然環境の共存と共生のスタイルを無視して、自由競争原理を優先させるべきではない。環境汚染や環境破壊から生じる問題は全て人類への健康に結びついている。環境破壊や環境汚染による生命体への影響は小動物ほど早い時点で影響が見られるが人類への影響は一定の経年後であり、見逃されやすい。
経済活動のグローバル的発展が全て正論とする意見は欺瞞的である。

農産物の自由化だけの問題ではなく、グローバル社会における競争を全て避けて通る事ではないが、競争には基本とする基礎的理念を欠いたグローバル化は自然との共生と共存は無視され、伝統的文化や価値を見失う結果を造り出している。

世界各地には固有の地域性豊かな文化が存在している。世界には小さな経済活動の中から、地域の固有の文化を創り上げてきた。異なる自然環境から自然環境に見合った異なる理念や宗教から固有の文化を創り上げ、自然と共存し生命を維持してきたのである。その固有の文化は、地域と一体の固有の生命体を有しており、今後も持続し次への時代へと継続させる義務がある。固有の文化も又生き物であり、人類が作りあげた生命体である。

どのような競争には、競争できる一定の基準が存在している。その基準を無視した競争はナンセンスであり、アンフェアーな競争である。
競争とは、一定の分母の中で分子の競争である、分母が異なった中で分子の数字だけを競わす競争理論は、力だけの論理であり、固有の文化や生命体を抹殺する要因になり、競争倫理から逸脱している。

分母が揃っている場合には、一定の競争の基準が揃う、例えばオランダと日本の農業では施設園芸における自然環境はほとんど変わらない。価格競争や産地間競争での敗北はシステム研究を怠った事による人為的問題である。価格競争に敗北したのには明確な原因があり、対抗方法も比較的早く達成できる。

スペインと日本のニンニクの生産単価は、自然環境の違いから来ており、日本ではスペインのニンニク畑の規模の拡大は不可能である。作付け面積に対して収穫量は5年間の平均値からで無ければ計算できない。何年かに一度は成功する年もあるが、多くは収穫量が半減する。降雨量による影響が大きく左右すると同時に除草剤から病原菌防除農薬の量と回数などから、安全な品質管理が困難となる。安定生産には結びつかない。

圃場管理に必用な日数と時間は面積に対して同じにはならない。
スペインでは朝7時では、圃場に人一人見ることはなかった。日本では朝5時に既に多くの農民は圃場に立っている。10字の休憩タイム、アルコール飲料でゆっくり出来る農民も存在しない。日本の農民は、スペインの農地の広さの1/20であるが、労働時間は
1日平均10時間以上であり、夕方5時になると圃場に人が立っていない農民は先ず存在しない。土日に圃場に出ない農民も存在しない。

面積は1/20であるが数倍過酷な環境で農地と戦っている。この差は自然環境の違いである。自然環境の違いから、地域固有の文化を創り上げてきた。
農産物や食料品の価格差は歴然としている、多くの農産物は数倍から5倍以上の差がある。
日本人の勤勉な国民的性格はこの水稲の伝統が作りあげた固有の文化である。


■TPP 参入に問われている課題

日本固有の伝統文化をこの時代で全て終わらすのか、それとも引き続き、次への世代へ引き継がすのか、その答えがTPPに参加するか、否かを問われているのである。
政治家や多くの報道にはこの視点が全く無視されている。
競争とは一定の分母の上出始めて成立し、農産物の分母には自然環境、地形を示す。



 

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