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土に気付く

道元の『典座教訓』の教えによると、食事をつくるということは 非常に大切な行為でした。食材をむだなく活かすことは食べる人への 心配りが求められるからです。私たちが普段購入している食材や調理について知ることは自分のみならずそれを食する人への配慮になります。

土の汚染と健康被害

◆健康食品の嘘

  健康維持や病気の予防として野菜を摂取することが常識になっている。しかし、それにはきちんと栽培されて硝酸塩濃度の低い野菜であることが大前提だ。このことは繰り返し書いてきたが、もう一つ忘れてはならないのは、健康食品である。

   世は相変わらずの健康食品ブームである。健康食品と称される商品の多く  は、野菜及び野菜の成分を利用したものが多い。健康食品イコール野菜、というイメージも広がっているようだ。野菜ジュース、乾燥野菜、野菜スープ・・・と数え上げればきりがない。その販売のキャッチフレーズは、野菜不足を補い、多くのミネラルを摂取することだとされている。簡便さを売り物としているわけだ。
 食生活の簡便さは促成栽培の野菜と同じ次元である。食生活で効率のよさには"まやかし"と"手抜き"が多い。この"まやかし"とは、食べる自分自身に対してでもあるが、ときには商品そのものが"まやかし"になることもある。

 インスタント食品やファーストフードの食事は食べる時間が短く、空腹を満たす意味では簡便な方法である。しかし、これは当人の健康において"まやかし"であり"手抜き"である。インスタント食品やファーストフードに群がる若者たちは、効率のよさが文化的であるといわんばかりだ。"まやかし"や"手抜き"が文化的であると言えるのか、もう一度、若者たちに問い直したい。効率の追求には確固たる原則がなければ、まやかしや手抜きになることが多い。

 施設園芸による野菜の促成栽培もまったく変わらない。それは効率の追求から派生した農業生産の形態である。東京都がまとめた有機農業の推進書類の表紙には、合鴨農法の写真が掲載されている。水田の中で合鴨を飼い、人間の代わりに合鴨に草取りをさせているのだ。これも効率からきた手抜き農業で、推奨できる農業のスタイルではない。農業は大地との共生である。土を触ることを"汚い"とするなら、農業の現場から去っていただいていいのではないか。陶芸家が土を触ることを拒否して「汚いから」では陶芸はできない。警察官が目の前で強盗をはたらいている現場を見て、怖いから逃げることとまったく同じである。

 健康食品の多くは食生活の手抜きを補充するか、欠乏した栄養素を補完する目的で宣伝されている。それどころか、最近は手抜きを推進する宣伝が多い。これは反社会的といえないだろうか。
「朝は忙しい、朝の食事を抜いてその変わりに××を食べましょう」
 これは、ある製薬会社が行っている宣伝である。この会社には社会的モラルがないのだろうか。本体の薬のほうも心配になってしまう。

 健康食品は流行の激しい食品である。流行があるということは、別な面では安定していない証拠でもある。健康食品の販売対象とされている消費者は、何らかの生活習慣病をもつか、その境界域の成人であることが多い。これらの疾患の多くは一種の老化によって始まる症例のために即席で治療できるものではない。日本人は病気に対して即席に対応できることを特に好む。薬の効果が目の前ですぐに表れることが良薬とする意識が強く、病気に対する忍耐力、抵抗力は特に欠けている。


■ブランド化する健康食品
 生活習慣病には即席の薬はない。時間が必要なことはいうまでもなく、食生活の改善を試み、時間と共に回復を待つのが基本的な治療である。
 生活習慣病の疾患のある人が健康食品を利用する場合、一種類ではなく何種類も利用する人が多い。健康食品の品質を判断して選ぶのではなく、とりあえず何種類かを利用すればどれか当たるのではないかというところだ。つまり健康食品は心理的な不安の解消を目的とし、科学的に判断するよりも当て物的感覚で利用されている。その結果どれもたいして効果が見られない。そして流行にも左右される。消費者は内容成分の確認よりも価格が高い"ブランド品"に飛びつく傾向があるようだ。健康食品業界はそこにつけこみ、ブランドイメージを上げるための宣伝に躍起になっている。製品に対する責任の意識は薄い。
 健康食品に利用されている野菜、菌茸類の種類は多い。シイタケ、マイタケ、マッシュルーム、アガリクス茸、姫マツタケ、霊芝、ウコン、田七人参、高麗人参、西洋人参、ダイコン、キャベツ、ケール、ニンニク、ショウガ、梅、クコ、松ノミ、銀杏葉など多種類にわたっている。しかし、どのような素材にも、その産地、収穫時期、栽培方法、品種によって品質の格差は存在する。
 ビタミンなどの野菜の栄養成分は、栽培方法によって大きく違い、効率を追求する栽培では多くが品質は低下し、危険性も高いことが証明されている。健康食品では使用している素材の表示はあるが、それ以外の多くは不明瞭である。


■アガリクス茸の効用
 最近健康食品として流行しているアガリクス茸と姫マツタケ。この2つの健康食品には、β-グルカンが含有され、免疫力の改善によいことを売り物に販売されている。しかし、肝心のβ-グルカンの含有量を表示している商品はほとんど見当たらない。なぜなら、宣伝でうたわれているほど多くの含有量がなく、表示できないからである。
 アガリクス茸はすでに1928年、ドイツで家畜の病気の治療に利用されており、有機農業に利用されていたことを示す古い文献もある。あたかもアガリクス茸=ブラジル原産かのようにいわれるが、ブラジルが初めではないのだ。アガリクス茸の信奉学者である元静岡大学教授は、その著書でアガリクス茸はどのようなキノコよりも多くのβ-グルカンを含有していると主張している。学者が公表するする限り学問的正確さと公平さが必要である。この教授のように単に一品目の分析で含有率を比較したところで科学性がなく、複数の検体の形態を明確にして対比することで初めて科学的に判断できるのである。
 アガリクス茸の構造的形態から見てβ-グルカンの含有量は最大で20%前後であり、栽培技術が伴わないとそれより低いのが普通である。それから見るとアガリクス茸は、β-グルカン含有量が際だって多い菌茸類ではない。
 製品として販売する限り、メーカーの責任として正しい分析に基づく表示は当然である。また栽培の形態、栽培方法、収穫時期などの前提条件が明示されない分析はデータとして科学的視点に欠ける。特に農学では当然である。日本を代表する薬品メーカーの子会社がアガリクスを販売しているのだから、そこに分析能力がないはずがない。企業のモラルを疑われても仕方ない。


■野菜ジュース
 ケール、ニンジンも多くが健康ジュースとして販売されている。多くの場合、健康食品に利用される素材は重量で契約栽培される。よって、生産者は品質よりも重量を目的に栽培する。契約時点のケールの品質基準は、「枯れ葉、腐れ葉を除く」以外は栽培方法や収穫時期などについてまったく触れていない。ひと昔前は農薬を少なくする栽培指導も行われていた。ケールは青虫が付きやすく、現状では農薬は欠かせないものだからだ。ヨーロッパでは、ハーブと共生させることにより青虫を避けて栽培している。日本ではそのような有機栽培の基礎的技術を指導する機関すらない。ケールは有機農業を熟知していなけらば無農薬栽培が困難な品目の一つである。
 重量栽培のためには収穫に合わせ化成肥料を追肥することはごく普通であり、硝酸塩濃度は高くなりやすい。青汁が宣伝通り、生の状態で製品化されているならば硝酸塩濃度を表示することが望ましい。特にケールは糖尿病の既往病の人が多く利用しているが、そのような生活習慣病の疾患を持つ人は硝酸塩濃度の高い食品は避けるほうが賢明である。硝酸塩濃度が高いことを知りながらメーカーが販売を継続すれば、今後大きな社会問題に発展する可能性がある。
 ニンジンジュース、野菜ジュースも一時は大ブームであった。しかし、ブームはいつの間にか過ぎ去っていった。ブームのときは原料を手配する商社マンが、国内はもちろんのこと海外へも飛び立ち買い集めていた。野菜、特にニンジンは産地、時期によって糖度が2~5度の差を生じる。つまり味にばらつきが生じるので、どのような方法で味覚を安定させるかが、製造現場は一番の課題である。
 生ジュースの場合、年間を通して同じ味で統一することは非常に難しい。低価格の商品ではほとんど不可能なので、添加剤、甘味料で調整する以外に方法はない。さらに食味は、産地や天候でも変化する。例えば長雨は食味が落ちると同時に鮮度も落ちやすい。したがって、契約栽培されていても契約期間通りにいかないことも多々見られる。
 海外から輸入される野菜は、一部の先進国を除いて農業の使用基準が法律によって決められていない。外交での重量契約の栽培は、国内よりも価格に敏感である。農産物は、生産物に含まれる正しい栄養素が基本であり、目先の価格によって製品の内容が問われなくなると、製品そのものの危険性が高くなることを知っておくべきである。
 最近は多くの加工食品が海外で製造されているので内容成分中の危険物質の把握は特に困難である。