硝酸塩、亜硝酸に影響される可能性のある疾患は単に糖尿病だけにとどまらず、大奥の慢性疾患や成人病(生活習慣病)にもその影響が見られる。生活習慣病になっている人が、国民の20%近いと推定する専門家もいるのだから、1日も早く対策を立てなければならないだろう。日本人だけが高濃度の硝酸塩に対して高い免疫力が備わっているとは考えられないからだ。高齢化と共に国民医療費は年々増加し、その増加が止まる可能性は低い。予防医学の視点からも1日も早い時点で高濃度の硝酸塩、亜硝酸塩が人体に与える影響について、疫学的視点以外に正確な科学的研究を行う必要性がある。にもかかわらず私が調べた限り、過去に日本で報告されている硝酸塩に関する医学的研究報告は2例しかない。それも海外の研究の後追いをしたものだ。最近の若年層の食生活は年々悪化しており、非科学的食生活が進歩的近代的食生活と考え違いしている現場を見かける。すでに多くは手遅れになっているが、医学、環境学、農学が一体となっての科学的な解決が欠かせない。そのためにも、ここで、硝酸塩濃度の高い野菜の摂取に際して特に注意が必要な疾患について指摘しておきたい。
硝酸塩は体内で亜硝酸に変わり、さまざまな形で悪影響を与える。とりわけ胃液を充分に分泌できない乳幼児は重大な影響を受けてしまう。正しい野菜の選択をしなければ、妊婦や出産後の乳幼児のダメージに結びつく危険性が高い。 最近、新生児に原因不明の疾患が急増している。硝酸塩はその原因の一つではないかと疑われる。一時期、新生児をうつぶせ寝させることが突然死につながると世間では騒がれたが、硝酸塩も原因の一つかもしれないのだ。 妊婦、乳幼児とくれば、当然のことながら高齢者への影響も考えなければならない。高濃度の硝酸塩はハンディキャップのある人ほど影響を受けやすいからだ。高齢者には免疫力の低下している人や利尿作用に問題のある人が目立つ。したがって正しい野菜の選択が望ましい。
健康維持や病気の予防として野菜を摂取することが常識になっている。しかし、それにはきちんと栽培されて硝酸塩濃度の低い野菜であることが大前提だ。このことは繰り返し書いてきたが、もう一つ忘れてはならないのは、健康食品である。 世は相変わらずの健康食品ブームである。健康食品と称される商品の多く は、野菜及び野菜の成分を利用したものが多い。健康食品イコール野菜、というイメージも広がっているようだ。野菜ジュース、乾燥野菜、野菜スープ・・・と数え上げればきりがない。その販売のキャッチフレーズは、野菜不足を補い、多くのミネラルを摂取することだとされている。簡便さを売り物としているわけだ。 食生活の簡便さは促成栽培の野菜と同じ次元である。食生活で効率のよさには"まやかし"と"手抜き"が多い。この"まやかし"とは、食べる自分自身に対してでもあるが、ときには商品そのものが"まやかし"になることもある。
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