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土に気付く

道元の『典座教訓』の教えによると、食事をつくるということは 非常に大切な行為でした。食材をむだなく活かすことは食べる人への 心配りが求められるからです。私たちが普段購入している食材や調理について知ることは自分のみならずそれを食する人への配慮になります。

土の汚染の原因と実態

◆チンゲンサイを食べると死ぬ?

sand01.jpg■農薬より怖いものがある
健康になるには、野菜をたくさん食べることだ。ほとんどの読者は、こう信じて疑わないのではないだろうか。確かにテレビ、新聞、雑誌などで、野菜は健康の象徴というような報道が繰り返されている。特に生活習慣病とされているガン、糖尿病、高血圧、脳血管障害などの症例改善には野菜の摂取が一番であると、マスコミはもとより、医者も強調する。間違っても野菜は健康に悪いなどという話は聞かない。

 しかし、最近のスーパーマーケットの野菜売場や八百屋の店先には、大変危険な野菜が氾濫している。こう各と、おそらく残留農業の危険性を思い浮かべる人が多いに違いない。食の安全に興味を持つ人ならば、環境ホルモンや遺伝子組み換え作物などを思い起こすかもしれない。確かに、これらの危険性については、これまでも指摘されており、見過ごせない問題だ。だが、それ以外にも私たちの健康をおびやかす野菜が氾濫している。

 科学肥料や栽培システムから生じる危険な物質を含有する野菜が多く出回り、販売されているのだ。時期によっては店頭で販売される80%近くの葉野菜に品質上の問題がある。このような野菜は、健康を維持し病気の改善に役立つどころか、食べれば食べるほど生命を縮めることになりかねない。


■驚愕のデータを入手
 東京都が長期間にわたって野菜を詳細に検査していることは、だいぶ前から聞いていた。しかし、大々的にその結果を公表してこなかったので、おそらく大した問題はないに違いない、と思った私は、あえてその資料を手に入れようとはしてこなかった。しかし、農薬以外の野莱の危険性を調べていくうちに、この資料の必要性を痛感し、都庁に電話を入れてみたのである。電話口に出た担当者は、
「ええ、検査していることはしているのですが......」
 と、どうも歯切れが悪い。検査しているならその結果を教えてくれればいいではないか。
「では、その検査結果の資料をいただけますか」
「はあ、ちょっと相談してみないと......」
 電話の向こうから誰かと相談しているような雰囲気が伝わってくるが、いっこうにらちがあかない。そこで、私は東京都知事室に文書で申し入れた。何日かして最初の担当部署に再度電話してみた。すると、
「はい。そのことは聞いております」
 と、あっさりと要求した野莱の検査データを渡すという。最初の対応はいったいなんだったのだろうか。しかし必要な資料が手に入ったのだから、深くは追及しなかった。

 入手した書類は、A4判のコピーの束。恐る恐るページをめくると、そこには細かな検査データを示す数字がびっしりと記載されていた。一見、数字の羅列にすぎない無味乾燥な表が載っているばかりだ。だが、その数字を丹念に見ていくうちに私は愕然とした。その一部が表1である。
 この検査は、1976年から1997年まで、野菜に含まれる残留農薬、重金属とともに「硝酸塩」「亜硝酸塩」の含有量を調べたものだ。
「硝酸塩」と「亜硝酸」。一般にはあまりなじみのない物質だろう。じつは本書の最大の目的は、野菜や水から硝酸を摂取することの危険性を多くの人びとに知らせることである。
 詳しくは後述するとして、ここでは簡単な説明にとどめよう。野莱を育てるには窒素成分が必要で、そのために窒素肥料を投入する。野莱がそれを吸収し生長する。それまでの過程で、窒素成分はさまざまな形に変化するが、最終的には亜硝酸に変化する。これは、ガンを誘発するなど人体に極めて有害な物質なのである。しかも、日本の野菜に含まれる硝酸塩濃度は、手遅れになりかねないほどの危険レベルに達しているのだ。

 東京都は当初、検査の目的を掲載していなかったが、1986年から「硝酸塩、亜硝酸塩がガンに影響する」と検査目的を明記している。これまでに87品目にわたり、多い年は300以上の検査数を季節別に分類しデータ化。最近は件数が減少し、年間48検体となっている。
 この検査が始まった1970年代半ばと違い、施設園芸栽培が多様化している現在は必要な検査品目が多くなっており、むしろ検体数を増やさなけれぱならない。東京都が検体数を減らしているのは時代に逆行しているのではないか。しかも、検査にかける都の経費は膨大なのに、実際に都民の生活に結びつく効果的な報告をしているようには思えない。きちんと社会問題として公表し、消費者に警告を与えていないのだ。
 しかし、結果的に見ると、データの数と長期間に及ぶ年数から見て、貴重な世界的資料といえるだろう。すでに20年以上も前に硝酸塩の問題を提起していた先輩が存在していたことに敬意を表したい。また初期のデータは貴重な検査が多く、調理後の硝酸塩濃度の減少率まで確認されている。
 さて、20年以上にわたる膨大なデータをまとめた表1のうち、次の数字だけ、しっかりと記憶にとどめていただきたい。

 チンゲンサイ 16,000㎎/㎏
 これは、野菜に含まれる硝酸塩を1㎏当たりに換算したデータで、これまでの検査のなかで最高の数値を示している。世界保健機構(WHO)は、硝酸塩の単独致死量を4gと定めているから、たったの3株食べただけで人間が死ぬ計算になる。
 いったい硝酸塩とは何か。そして硝酸塩まみれの野菜栽培の現状はどうなっているのだろうか。
※食品分析では一般的に硝酸塩は硝酸根の分析として表示し、科学技術庁発表の食品成分分析の5訂では硝酸イオンとして検査数値を出しているが、本書では硝酸塩で統一。
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