道元の教えに学ぶロハスデザイン |
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土の汚染の原因と実態 |
◆生産者・流通業者・消費者の認識 |
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■野菜の名前を間違えるスーパーの店員
日本の若い人の多くは農業の現場を知らない。作物がどのような畑で栽培され、その外 観や形状を見て、何が栽培されているかを判断できる能力は極端に低下している。その点 に関しては、多くの人びとの識別能力は、ひと昔前の小学校低学年の能力以下である。農 業の常識が通用しないのだ。 中央市場の社員がニンジンの産地見学をしたときのことである。30歳代の社員がニンジンの葉を見て「これ、何を栽培しているの」と私に問いかけてきた。根菜の販売担当である彼は、このときまでニンジンの葉を見たことがなかったのである。 しかし考えてみると、農業の現場を教える教育が小学生の時代から大学までのとの段階においてもなされていない。教える場所がどこにも存在していない。まして都会では、農業を直接見る機会もない。それでいて、現場を知らないのに講釈だけは立派である。スーパーマーケットの有機農産物がいい加減な原因はここにある。店先でよく見られることの1つに、野菜の名称の付け間違いがある。コマツナとホウレンソウを間違えていることも現実にあるのだ。ある店で間違いを見つけたので、私は店員に指摘した。すると、その店員は伝票と照らし合わせ、コード番号と照らし合わせて確認しようと必死になっていた。つまり商品を見て判断できていない野菜売場の担当者が存在しているのだ。しかも、たまたま私がこういう店員を見かけたのではなく、決して珍しいケースではないのだから、あきれてしまう。 農水省は有機農産物の表示義務を制令で決定している。2000年6月には表示を義務付ける新法が施行された。しかし、肝心の販売先でその判断ができる組織と人材がどれほどあるのだろうか。期待することが間違いのように思えてならない。
私は全国を回り、生産者、農協関係者、流通業者の方がたと接し、有機農業を中心とした持続可な農業の発展を考えている。そのなかで、農産物と消費者の接点ともいえる量販店、スーパーマーケットで愕然とすることがよくある。いうまでもなく、生産者よりも消費者の数のほうが圧倒的に多い。生協の宅配を利用したり、生産者と直接契約している消費者グループは別として、普通の人が農業なり有機野菜に触れる唯一の機会は販売店ではないだろうか。ところが、その販売店が情けない状態になっている。関西のある大手スーパーマーケットでこんなことがあった。
先に、あるスーパーマーケットでの野菜の値付けについての問題点を指摘したが、この現象は単にこの店だけの問題ではなく、全国の量販店にもいえることである。現在、日本の青果物の60%近くが量販店によって取り扱われているのだから、スーパーマーケットをはじめとする量販店が、きちんとした仕入れで消費者に青果物を提供してもらわなければ困る。だが現状は、取り扱う青果物の量の増加傾向とは反対に、量販店の仕入れ担当者の青果物に関する知識は低下している。量販店の店内経営のなかで野菜売場はいちばん経営管理が難しい場所である。商品知識がなくとも、とりあえず陳列していれば商品が販売できた時代から脱皮できていない。バブル時代の延長で小売業が継続されているのだ。小売業が商品陳列業になると、その業者は衰退の道に入る。百貨店がその典型的な例であり、量販店もその傾向が強い。量販店は目先の都合だけで青果物を陳列しており、本部の計数管理だけが優先している。簡単にいってしまえば、とりあえず品揃えして陳列しているだけで、小売業としての顔が見えない。なぜこの青果物を選択して販売しているのか、この青果物のよさは何か、その消費の対象は誰なのか。これらを正確に伝達する努力が欠けては小売業としての経営は困難である。 スーパーマーケットでは有機農産物も取り扱っている。むしろ有機表示の農産物を販売しないストアはまれだ。しかし、決して好んで推進し販売する姿勢ではない。有機と表示すれば消費者のウケがいいという程度であり、店頭に並べられている有機農藤物も単なる儀礼的な販売である。 それだけではない。正しい農業生産の知識が低下しているなかで、スーパーマーケットの担当者が農産物の関係する業界を混乱に陥れているのだ。直接的には、スーパーマーケット担当者の仕入れ業者に対する要求が混乱の原因であり、市場、JA組織、農業試験場、生産者を惑わす結果となっている。 スーパーマーケット業界の買い付け姿勢は、「我われは大量の青果物を取り扱っているのだから、我われの要求が消費者の要求である」というものだ。その要求には生産内容や野莱の知識はまったく無視されている。取り扱いやすさ、陳列の簡便さだけを青果物の品質として産地に要求した結果、農業生産の内容まで変えてしまったのだ。一方の生産者や流通業者は、お得意さまのスーパーマーケットを無視するわけにはいかない。 食品を取り扱う業界は、最低のモラルとして国民の基礎的健廉に寄与する業務があるという認識は持つべきである。これこそ商品の選定の常識であり、基礎的な理念でなければならない。流通業者が量販店の意向に沿って農産物の品質を品定めし、その結果要求する商品態準は生産者の農業生産をゆがめ、外観だけ、形状だけがいい野莱を低価格で流通する結果をもたらした。
多くの消費者が量販店を頼りに日々買い物しているが、これでは私たちの健康を守れない。なぜなら、量販店の買い付け姿勢は、健全な農業や消費者の健康を考えているとは思えないからである。消費者が商品選択の目を正確に持つ以外に量販店に改善を求めることは期待できない。
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