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土に気付く

道元の『典座教訓』の教えによると、食事をつくるということは 非常に大切な行為でした。食材をむだなく活かすことは食べる人への 心配りが求められるからです。私たちが普段購入している食材や調理について知ることは自分のみならずそれを食する人への配慮になります。

土の汚染の原因と実態

◆法改正による影響

■有機農産物の認証制度ってなに?
2000年6月、有機農産物の表示を定めた改正JAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)が施行され、9月には「有機認証農作物」が初めて登場した。

2001年4月からは、完全実施となる。安心できる国民の食生活を維持するのは農産物であり、食材の安定供給が基本である。これまで有機農産物の表示は不明確であったため、 1部の消費者が認証制度の必要性を要求していた。 有機農業の根幹は.農業から派生するすべての環境対策も加味され・自然界のすべての環境維持と人類の健康を同一次元で捉えることである。地球規模の環境とは人類だけ生き延びることではないと、すでに多くの人びとが認識している。人類が地球上で生き延びるには、すべての地球環境を維持できる農業生産が前提である。その前提を無視して人類にとっての健康的な食品を生産することは困難である。 この改正JAS法によって、国が有機農産物の認証制度を制定し、不明瞭だった表示もはっきりし、有機農業の推進につながるのではないかと1部の人は期待していた。しかし、へたをするとこの法律によって、有機農業が衰退する可能性すらあるのだ。その問題点を指摘する前に、簡単に法律の内容を説明しておこう。 新法で sand08.gifはまず、農林水産大臣が登録認証機関を認証する。これまでの自己認証ではなく、第3者による認証であることがポイントだ。認証機関は株式会社でもNPO(非営利事業団体)でもよい。生産者が認証を受けたい場合は、認証機関による検査を受け、合格すれば「有機JASマーク」というシールを添付することができる。このシールがなければ、これからは有機農産物と表示してはいけないことになった。輸入有機農産物も認証機関による認証が必要である。





■農家の悲鳴が聞こえる
現在、日本の農産物のうち有機栽培と称されるものは、全体の1%といわれている。世界で最初の有機農業認証団体。ドイツのデメター(ギリシャ語の農穣の女神)で認める生産方法から判断すると、日本の有機農産物のうち、その基準に合格する農産物は1%以下である。99%以上が地球環境に何らかの問題点のある農業叢物と考えられるのだ。 日本の農業生産システムと農業の基礎的理念が国民全体に問われている問題である。有磯農業の認証よりも、現状の農業生産がどうなっているか理解することがより重要である。こう考えると、1%にも満たない農産物の認証に、なぜ緊急の法制度が必要なのかという疑間がわいてくる。認証制度は制定したものの、1%にも満たない有機農産物を今後どのようにして育成しようとしているのかが、まったく手付かずなのだ。 どのような法律も、関係する従事者が遵守できることが前提である農業生産では有機農業の基礎が理解でき、遵守できる生産指導要綱が策定され、初めてこの法律の意味がある。

生産者の立場に立って、新法を見てみたい。 茨城県で有機農業を営むAさんは、困惑している。現在有機農法で栽培している生産者にとって、とにかく負担が大きいのだ。まず、認証を受けるには、申請料、検査料、検査報告書作成料、判定料、認定新書発行料などが必要なる。Aさんの年収は400万円台。有機農産物が正当に評価されていない状況では、高収入は望めない。ここから費用を捻出するのは並大抵ではない。例えば認証シールにしても、およそ1万枚発行したとして1枚当たり1円程度になるという。必要な経費は価格に上乗せするしかないが、シールだけでも事実上、消費税が1%上がるのと同じではないかとAさんはみている。 金銭的負担ばかりではない、改正JAS法によれば管理や記録をこまめにしなければならない。出荷計画書、申請書、書類作成、栽培管理記録、便用資材記録、出荷記録......。例えば、栽培計画や出荷計画。自分が耕す耕地の1区画でナス栽培を計画しているとする。書類どおりに明確にその場所に植えなければならないのだが、計画区域の隣の土攘をみて、こちらのほうで栽培したほうがいい作物ができると判断した場合にどうなるのだろうか。そう考えて実行したら、当初の計画書類と違ったものになってしまい、最初から書類を書き直さなければならなくなってしまう。 そうでなくとも、今のシステムでは有機農家は負担が重い。そのうえ改正JAS法でさらに負担が増すのではないかとAさんは心配しているのである。



■ガイドライン野菜に問題あり
生産者が不安をもつ理由の1つは、認証制度導入でまたしても「市場原理」に飲み込まれるかもしれないこと。それが「ガイドラインの」の存在だ。1992年、農林水産省は有機農産物の「表示ガイドライン」を決めた。減農業、減化学肥料、無農薬などと表示された農産物を目にしたこともあるだろう。これらの表示は、このガイドラインによって定められたものだ。新しい認証制度と違って、こちらは自己認証が許され強制力がない。 その後ガイドラインは修正されたが、2001年4月に認証制度が本格的にスタートしても、「特別栽培農産物に係わる表示ガイドライン」は存続するのである。つまり、ガイドライン表示と、公式の有機農産物表示の商品が同時に店頭に並ぶことになる。ある種の 2重基準といえるだろう。特別栽培農産物とは、

①無農薬・無化学肥料
②無農薬・減化学肥料
③減農薬.無化学肥料
④減農薬・減化学肥料

の4種類だ。 さて、このように2種類の表示を店頭で見かけたら消費者はどのように選択するだろうか。おそらく安くて見た目もそこそこの農水省お墨付きの野菜=「ガイドライン野莱」を選ぶ可能性が高い。高い本物の有機野菜よりも、農水省ガイドラインによった安い減農薬野菜が売れてしまうかもしれない。またしても市場原理が働くことになる。その確率はかなり高いといえよう。 2007年夏、野菜は異常な安値を示した。食品の安全や環境問題を考える人で、生活協同組合や農産物宅配会社の会員になっている人もいることだろう。その1つ、首郡圏コープ事業連合には、この夏に会員から多くの同じような質問が寄せられたという。会員向けの通信『おしゃべりジャーナル』(2000年10月第3号)によれば、その質問とは「スーパーなどでは野莱がたいへん安い。それに比べてなぜ宅配される野莱はこんなに高いのか。もっと価格を下げられないのか」という内容に集約されるという。野菜の異常な安値は、主に輸入野菜の激増によるものだという。東京青果物センターによる「青果物流通年報」の生鮮野莱の項目1999年)を見ると、品目別の対前年比の輸入増加は次のようになっている。

ニラ・ネギ   171%増
レタス     198%増
トマト     211%増
ニンジン・カブ 148%増
ブロッコリー  120%増
サヤエンドウ  140%増

sand09.jpg野莱が安いのは、輸入増加のためであることが分かる。しかし、それだけではない。大手の量販店が流通の半分を契約してしまう。もちろん"いいとこ取り"なので、質のやや落ちる残りの野菜が競りにかけられてう安くなってしまうのだ。首都圏コープ事業連合では、良質の野莱を安定的に供給するため、収穫の3カ月前に生産者と協議して価格を決めている。豊作や不作に限らず価格を決定しているのだ。もし市場価格なら、安い農産物を生産するための手っ取り早い方法は、化学肥料や農薬を使うことである。このような構図をある程度理解しているはずの生協の組合員からも前述のような質問が出される。市場原理に任せていたら良質の野菜を提供しようという生産者や流通業者は昔しい立場に立たされる。 現状でさえこのとおりなのだから、農水省お墨付きの「ガイドライン野莱」が安く売られると手間暇のかかった有機野菜が駆逐される恐れは充分にあるのだ。


■まったく無視された硝酸塩
これだけ問題があると、鳴り物入りで成立した改正JAS法は、今後の有機農業の育成に大きな足かせになる可能性がある。わずかではあるが、今まで有機農業を支えてきたまじめな生産者が、この法律の制定によって馬鹿らしくなり、投げ出す可能性もある。 有機農産物と表示されたものは、消費者の目から見ると安心で安全な農産物の代名詞のはずである。では、これまで繰り返し述べてきた施設で促成栽培された葉野莱はどうか。そこに含まれた高濃度の硝酸塩はどのように扱われるのか。残念ながら新しい認証制度では、硝酸塩濃度、亜硝酸濃度は検査の対象にすらなっていないのだ。まったく無視されている。 施設で促成栽培され、無農薬、化学肥料を使用しない葉野菜ですらも硝酸塩を1㎏当たり3000㎎以上含むのが普通で、亜硝酸塩を含有するものもある。亜硝酸塩は一定の摂取量を超えると毒性が指摘されている成分である。新しい認証刷度では、この汚染野莱も有機農産物として表示されてしまう可能性もあるのだ。有機農産物の先進国ヨーロッパでは、このような施設栽培は有機農産物として認証していない。


■農産物輸入は硝酸を増やす
認証機関と認証に従事する人の間題もある。認証機関、認証に従事する人の資格は、大学の農学部卒業後3年以上の現場経験が必要とされている。しかし、有機農業は最も現場経験が必要な農業生産であり、認証に必要な能力を書類によって判断できても、現場の判別とその指導ができるかは別閥題である。現在の大学では、農業の生産指導をまともにできる場所が限られている。特に有機農業に関しては、指導機関さを存在していない。元来、有機農産物の育成は国家的事業であるはずなのに無視され、しかも、指導機関を創設しようという意識すら見られない。 国民的理解で進むべき事業が外圧と海外から輸入する商社に振り回されていることも間題だ。あたかも外圧や輸入商社の消費者の意見かのようにごまかされ、急ぎ過ぎた感がある。

では、有機農産物の輸入はどうなるのか。改正JAS法によれば、輸入農産物の有機表示をする場合は、登録外国外国認定機関による認定を受けるか、国内の認定輸入業者による認定マークの添付かのいずれかになる。 日本産であれ外国産であれ、健康増進させ環境を持続的に守る有機農産物なら同じではないか、という声も聞こえてきそうである。これは、化学肥料や農薬を使ってなければ有機だという単純な発想ではないか。もちろんこれは有機農業の第一歩で重要ではある。 本当の有機とは、化学物質にたよらずに自然の循環にのって、地域のものは地域で消費するという一連のサイクルに本質がある。 例えば日本のどこかで養豚を営むとしよう。日本で飼育するのだから、その豚は日本産になる。もしその豚の餌がアメリカのものだったらどうか。この場合、豚のフンをアメリカに持ち婦って処理するのが正しい。これが本当の自然のサイクルといえるだろう。もし日本国内でフンを廃棄するならば、窒素成分として蓄積してしまい、その成分を吸い込んだ野莱に高濃度の硝酸塩が含まれてしまう。結果的に窒素成分を輸入したようなものである。 一方、輸出する側でも窒素成分が増えてしまう。大量輸出のためには白然の原理を超えるほど大量生産が必要になり、そのためには大量の窒素肥科を投入しなければならない。農産物の無制限な貿易は、世界中の窒素成分ひいては硝酸を増やすことになりかねないのである。