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ロハスデザインの実践

ロハスデザインとは流行や個人の問題ではなく、現在の社会に必要不可欠な環境問題の解決方法なのです。ここでは、ロハスデザインの実践として実社会でどのような活動を行っているのかご紹介いたします。

徳島県上勝町

◆上勝町の挑戦「いろどり野菜」

■上勝町いろどり野菜とは
kamikatsu01.jpg南天の葉や紅葉の葉、柿の葉、バラン・・・料理を彩るために添えられる小さな自然、「いろどり」野菜。いまや日本料理や西洋料理にも幅広く使われるが、小さな過疎化の高齢者の村がその「いろどり」野菜によって見事に再生し、年商で2億6千万円を越えるビジネスモデルとなった。

■高齢化社会対策の理想郷上勝町
上勝町は徳島県の勝浦川の上流にあり海抜1000m以上の山並みの山間地にあり、人口は約2100人、所帯数は、約800の秘境の地である。65才以上が48.5%、80才代の人口は、約12%高齢化が進んでいる町である。この町の水田や畑地は、大型農機で耕す農地は1枚も存在していない。
町内の道路は、2車線の車道であっても100mも続く直線道路はなく、左右に蛇行しているか、上下にアップダウンを繰り返し、勝浦川の渓流に沿ってつながっている。道ばたから山の頂を見上げても、遠望できる場所は限られ、身体を真っ直ぐに伸ばし首を後ろに反らさなければ、山の頂が目に入ってこない。日本の秘境の町の一つであるが、高齢化社会対策の理想郷であり、世界に誇れる文化都市である。

■食文化が創造した新たなビジネス
私は、これまで多くの講演する機会に恵まれ、そのなかで、多用な食文化を有する地域はその地域の文化密度と相関性があり、食文化の多様性が次の新たな知的産業を創造する基礎になると指摘してきた。
上勝町はその見本となっている事例である。

上勝町の農家が庭先に生えている紅葉や南天の葉を集め「いろどり野菜」の事業を始めて約22年、安定し販売が軌道に乗り始めて約15年が経過している。
懐石料理や和風割烹料理には「いろどり」の花が使われ、料理の四季の演出として南天の葉や紅葉の葉が利用されている。他に笹の葉、柿の葉などは鱒寿司や鮎寿司、柿の葉寿司など寿司の「いろどり」と共に防腐効果として保存性を高める効果などの歴史があり、料理以外では和菓子では桜餅の桜の葉やちまきの笹も同様の効果と共に香りを楽しむ嗜好がある。

今では日本料理や西洋料理にも幅広く、「いろどり」野菜は使われている。
上勝町は農家の庭先に生えていた南天の葉や紅葉の葉、柿の葉、バランを集めビジネスに結びつけているが葉の素材になる植物はそれぞれの庭先から集めることから始まっている。

 仕事の始まりは高齢者の主婦が選別し小さな単位のパックに入れ、京阪神の料理屋や外食チェーン等に販売を開始した。始めは試行錯誤の連続からスタートを切ったので苦情もたびたび見られたが、今では全国40数カ所の市場販売され、彩りの種類も既に300種類を越えており、年商で2億6千万円を越えるビジネスを維持している。
参加農家の数は現在193戸、町内の約1/4の家庭がいろどり野菜に参加されている。
高齢者の方々の家庭で年間、一軒約100万円以上の収入を維持している。

最高齢は94才、70~80代の老夫婦のなかには、いろどり野菜の販売金額が600万円にもなっている場合もあり、にこにこ顔の元気なお年寄りが目立つ。
最高齢のおばあさんが、紅葉の葉を採取する姿は梯子にも軽々と登り、軽車輌に乗って、選果場まで出荷に見える。いろどり野菜を出荷する農家は年齢に関係なく、全ての家庭にはITが完備されており、コンピューターの画面で今日の販売金額を示され、市場の情報を確認している。高齢者が使いこなしやすいソフトが組込まれており、手際よく使いこなす姿は、都市の生活者を越えている。最高齢のご婦人もコンピューターを毎日見るのが楽しみなのである。

kamikatsu03.jpg葉の選別と選果には美的センスが求められ、どのような葉もはっぱであれば、全て金になるのではない。
紅葉の葉は小さな葉が求められ、柿の葉は紅葉した美しい大きな葉が高い額の取引になり、一枚一枚選別する能力が求められる。葉の美しさと同時に鮮度を維持するのも重要な課題である。
各地の市場からはいろどりの本部に顧客の要望がFAXで送られ、集計された注文が各家庭全員に送信される。送信された内容を個々の農家で得意とする葉の作業別に入札し、その日の内に葉の収穫に入る。軽労働であるが、常に頭脳のスピードと美的センスが求められる。
お金の執着よりも、「葉っぱが金になる」その仕事のおもしろさに引き寄せられるひとが多く、日々の一定の競争は高齢者の刺激になっている。高齢者の人々が毎日安定した収入を得られることは、大きな生き甲斐に変わり、一日一日にメリハリが生まれ、その結果、町全体に活性力が広がる。
土日や休日は、都市に出ている若者が帰る姿が多く、最近新築の家が次々と立てられている。
若者の里帰りは、お年寄りから戴ける小遣いが目当てであり、孫を引き連れ、にぎやかである。寝たきりや介護をするために訪問するのではなく、明るく、楽しい一日を過ごされている。
Uターン、Iターンも次々と増えている。
日本の大都市以外は人口の減少が問題となっているがこの10年間、上勝町の人口の減少は少ない。
バブルが崩壊すると山間地の多くは過疎化が進んだが、上勝町はその後も安定した「いろどり野菜」の販売が続いた。高齢者の生活が安定することは、町の活力は次へのトライを引き出している。その一つが上勝町のゴミ政策、廃棄物政策の成功である。
平成15年ごみ、ゼロ宣言を議会全員一致で可決される。
現在、ゴミは35分類され、町民がゴミを日比ケ谷ゴミステーションに自身で運び自身で選別し、洗浄し分類している。分類されたゴミは再資源化を目的に用途に合わせて製造業に搬送される。分類できないゴミは今後は買わない指導がされている。

NPO法人、ゼロ・ウェイストアカデミー事務局長、松岡夏子によって管理運営。
運営基準には次のように書かれている。
1.自分で出したゴミは、自分で洗浄し自分で持ち込んで分別する。
2.自分が不要でも他の誰かに有効な物は、再利用できるようにする。
3.分別や運搬が面倒であれば、商品の購入時に買う買わないゴミの少ない物の選別をする。
4.全ての人が避けて通れないゴミを介して、世代間.地域間等のコミュニケーションをはかり、新たなアイデアを生み出す。
5.ゴミが宝物となり、良いイメージを生み農業などの地域経済をも活性化させる。
6.住民の経験や知恵が生かされ、生き甲斐や健康に繋がる。
7.不法投棄や野焼きを減らすことにより不潔な危険箇所を減らす。
8.自分で持っていけない高齢者への相互扶助。


kamikatsu04.jpgこの運動は「ゴミの一方通行を阻止し、ゴミ資源の再利用、仕入れメーカーから製造メーカーへの転送、ゴミとして再資源化が受け入れられない物は販売しない」を実行されている。
「リサイクルショップ」「くるくるショップ」の運営は古着の手直しや使える道具の再生まで幅広く、運営されている。
リサイクルショップでは高齢者の裁縫芸術が実践され、古着や鯉のぼりが新たなバックや袋物、新たな洋服に変わり、子供達や若い奥さんの裁縫教室にも利用されている。

町には2カ所の老人ホームが設立されていたが最近1カ所が閉鎖された。採算が合わないから閉鎖されたのであるが、問題は設立当初に計画していたよりも入所する人が少ないために1カ所の施設の必要でなくなった。現在、町内の寝たきり老人は2人だけである。
 日々楽しくて「寝てる暇がない」のが上勝町の高齢者の実態である。
高齢化社会への対応は、如何に楽しく、日々を過ごすことが出来るかにあり、日本人のDMAは、楽しく働ける場所があれば、精神的安定を呼び、例え疾患があっても、それ程悪化させずに病と共生でき、人生を最後まで全うさせるコツを身に付けて楽しまれようである。
高齢は社会関係が希薄になりやすく、社会との関係を常に持つことが孤立を防ぐ、社会との関係を維持するには何らかの業務が継続していることである。高齢者ができる軽作業の高付加価値事業を掘り起こすことが日本に必要な新産業の創生では欠かせない。
働ける場の創生が高齢化対策の最大の課題であることを上勝町が示している。
上勝町は徳島県下で一番早く高齢化が進んだ地域であるが、県下の自治体の医療費の比率は高齢化人口に対して一番低い。
これまでに至るまでには苦難の歴史が存在しているが、「(株)いろどり」の代表取締役の横石知二 の功績に心から敬服し、いろどり野菜が事業として立ち上がる初期の時期に参加することが出来たことを私個人として誇りに思う。



徳島県上勝町

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