京都の経営者は、ゴミが出ることを極端に嫌っており、他社からくる封筒も裏返しにして再利用することをバブル経済の頃まで女子社員にさせていた。 京都の経営者は、会社から出るお金を如何に少なくするかをモットーにしており、稼ぐ工夫も大切にするが、お金が会社から出て行かない工夫に熱を入れる。お金が出ていくことを極端に嫌っていた。
価格を決定し、仕入れを行っても、支払い時には、必ずもう一度、価格交渉する癖が付いていた。 請求通り支払いをすることは、最後まで見られなかった。 価格交渉が上手な担当者が出世の対称になっていた。 仕入れの商品の品質は、実に丁寧に吟味し、検品し、分類する。 検品は、商品の代金を値切る口実を作るのに欠かせない。 分類は、価値が高められる商品、普通の商品に分け、如何に価値を高めるかが目的である。 詳細にメモを取り、保管場所、貯蔵の方法など細部に仕訳され、品質の管理の方法は科学的であった。
販売する商品の形状や大きさ、箱づくり、包装のデザインなど京都には独特の感性が見られ、素材の価値を上げる方法や付加価値をどのようにして上げるかを常に意識し、商品化する特性がある。京都は古くから芸術的な要素が高い商品が多く、デザイン力に優れている。全体の構成、形、色調と匠を組み合わせて製品を作り上げていく。 素材を科学的に見る目と素材を利用した新たな商品開発の研究意欲は大変高い。 一般大衆を販売対象とする商品開発を好まない、目線を少し上のレベルにおき、商品開発し販売対象としている。 典型的な例が京呉服であり、漆器、焼き物などの工芸品、和菓子、漬け物、京料理も同じ傾向にある。 京都の伝統的な商品全てが同じ視点で開発されている。 この伝統は江戸時代から続いており、日本各地に京都の商品は販売されているが、一般大衆商品を目的に生産し流通する商売は極めて少ない。 一時的に一般大衆商品を開発し、販売しても、長くは続かず、他社との競合から撤退することが多い。 京都の都市が持つ感性であり、子供の頃から家庭生活で教育されてきた価値感の一つでもある。 3月の末から入社してくる新人の女子社員も京都と大阪、神戸出身では全く異なった雰囲気があり、京都の女子社員は、仕事を時間に合わせる工夫をする。 大阪は、時間で仕事を切り上げる。 神戸は、仕事が終わる雰囲気を作り出す。
京の近郊農家は室町時代から蔬菜栽培を行い、町屋に販売していた経緯があり、子供の頃から家事として手伝っており、実に商売人である。 京都は古くから農家の女性が町屋に青果物や漬け物、花等を売っていた。振り売りの歴史は古い、大原女、白川女、桂女の名が今も残っているが、他に鳥羽、物集、雲が畑などから市中の町屋に台所で利用される物が売られていた。 市比売神社は、古くからある女性の物売りの神様である。 市比売には市場や物売りの安全と繁盛のために祭られている。 全国の青果の包装形態の多くは、京都の中央市場の指導から広がっている。野菜を一束に美しく束ねる手際の良さと美しさは、その後、徳島や高知にそして全国に広がっていった。
町屋に住む人々は呉服に関する商売が多く、仕入れから、規格販売までのスピードよりも、どのように付加価値を高めビジネスをするかを工夫している。 食べ物の付加価値を高める調理と大変類似している。 家庭で食べ物を大切にしている姿勢が、高齢者から、孫たちに伝承し、自然に物を大切にする習慣となって身に付いている。 家庭内の食生活と企業の姿勢、精神性が大変類似している。
食文化と文化密度の関係
京都・大阪・神戸関西三都の食文化
食生活の違いと産業構造
京都、大阪、神戸市民の食生活と環境及びメタボリックの関係