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関西文化とロハスデザイン

三都の食生活の違いを分析し、食生活の違いから生じる精神性や産業構造の違いを 分析することによって、食習慣から作り出される生活習慣や精神性を探索し 時代の課題として検証します。

京都、大阪、神戸市民の食生活と環境及びメタボリックの関係

◆栄養計画の大きな問題点

■栄養計画の落とし穴
メタボリックシンドロームの改善は基本的には、栄養指導である。
栄養指導は何によってなされているのか?
日本の食品栄養成分の分析は、文部科学省科学技術・学術審査会資源調査分科会である。食品の生産指導は、農林水産省、食品の安全や栄養指導は、厚生労働省。輸入農産物の統計管理は経済産業省、輸入農産物の検査は農林水産省、安全指導は厚生労働省。
栄養計画には、食品の一定の基準的なデータが必要である。その原点となっているのは、最近出版されている5訂の改正版である。これまで食品分析は、3訂から4訂そして2007年、5訂の改正版が出された。従来の4訂から見ると内容はかなり充実し解りやすくなっている。
メタボリックシンドロームに罹患するとドクターや看護師そして管理栄養士の方々はこのデータを基礎にして、患者さんに栄養計画の指導をされる。ほとんどの患者さんは何ら疑問をもたれない。指導しておられる方々も当たり前の指導として4訂5訂をバイブル本と認識されている。
実はこの指導に大きな落とし穴がある。
過去に厚生労働省が行った多くの疾患に対して栄養指導のほとんどが効果がなく、糖尿病やメタボの増加を止めることができずに終わっている。指導の失敗を今度は、企業の管理栄養士や個人の責務として、特定検診制度を制定した。

過去に、山口県の高齢化社会の実態調査をおなったとき、高齢者施設の栄養計画が4訂から計算し、食事の指導されている現場を見て、背筋が凍り付いたことがある。
高齢者施設に出向き、実態調査をしたとき、無気力な高齢者像の姿に唖然とした経験がある。会話ができず、目がうつろで、反応が乏しい、その原因の多くが、後ほど知人の管理栄養士の方によって「基礎栄養成分が不足し栄養失調を起こしている」と教えられた。
施設の食事は厳しい価格から食材が選択されている、食材の選択は価格を優先し選ばれる。4訂、5訂の栄養計画を立てると多くの食材は、基礎栄養成分のミネラル類、ビタミン類は1/2から1/3に低下する。健康に欠かせない、微量栄養成分はもっと大きな差が生じる可能性が強い。栄養不足を補足する栄養剤は保険対象ではなく治療の対象には入らない。

■破壊される栄養素
農業生産の現場は、如何に価格競争に対抗できるかを優先しており、既に4訂の栄養成分の含有率のほとんどが無視されている。周年、同じ品目の野菜を流通させることで収益性を高めているが、夏場のホーレンソウや小松菜は冬期の路地野菜とは全く異質の野菜である。
形はホーレンソウや小松菜であるが、短期促成栽培すると鉄分を始めミネラルやビタミン類は1/3以下になる。メタボ栽培の野菜や肉質は大きく組成が変わったおり、栄養計画は基本から見直す必要がある。
食品がどのように生産されているのか、栄養指導の担当している人々の多くは、認識されていない。調理師や調理の現場の人たちは、味覚の違いから、食材の品質を判断されている。管理栄養士と調理師は役割に違いがある。品質の低下した食材を美味しく演出するには、多くの脂肪分や糖分、塩分、調味料が追加される。加工品やできあがりの総菜類はリピートを優先し、よりはっきりとした味覚、記憶されやすいを強い味になる。

■カロリー計算のできない日本
食料品の約60%が輸入品である。輸入農産物の分析データはほんの少し、輸入牛肉だけが提示されている。
素材の栄養成分は世界共通ではない。米国FDAが提出している栄養成分表とは格差が大きい。
栽培や生育によって栄養成分の格差は数倍に開く、四季によっても違いが大きくなる。その格差は多くの場合2倍以上にもなる。

肉類の店頭は多くがパックし販売されている。
販売されている肉の質を見て、品質、部位の名称が解り、脂肪率カロリーが判別できる管理栄養士、看護師、ドクターは一体、日本に何人おられるのか、大きな疑問である。
同じ個体から取り出された部位でも、赤身と脂肪質の割合でカロリーは3倍程度の差が生じる。店頭に並んでいる肉類の商品表示にも間違いが多い。カロリー表の選別ができない部位の名称もある。カロリー計画を指導するにも基本となるデータが仮に5訂を基礎にして、計算するならば、現場に出された肉類が引き算なのか、足し算なのか、その目安が全く明快ではない。
日本人が多くの生活習慣病を引き起こす原因になったのは、動物性脂質の摂取量に対する他の食材とのバランスが取れていないためである。特に日本人は、牛も豚も脂肪質の多い肉を好む、和牛は輸入肉よりも同じ重量で約倍のカロリーになる。和牛も豚も100gの摂取量で約500kcal、霜降りになると約800kcalにもなる。
平均的な魚類と比較するとカロリーは3倍になる。このような肉類の摂取のときに、従来と同量の白米などの雑穀類を摂取するとカロリーオーバーになるのは当然である。和牛や脂肪質の多い豚肉、100gで一日に必要なカロリーの約半分の摂取量になる。この摂取量に従来から食べ慣れている雑穀類の炭水化物を摂取するとカロリーオーバーは当然な結果になる。一度、肉類の味覚を覚え、その上に今では魚類よりも割安で販売されており、調理の手間も比較的少ない。肉類の摂取を止めることは経済的にも困難である。

現状の生活習慣のなかでどのようにカロリーバランスを取るのか、その指導ができていない。肉類は高タンパク質であり、日本人の平均寿命を引き上げたことでは、大きな効果が見られた。その後に適切な栄養バランスを考慮した調理指導ができていない。
現実に販売されている食材の生産内容を知り、基礎的な栄養成分を判断し、実務的調理指導ができるのは、管理栄養士なのか、ドクターなのか、看護師なのか、調理師なのか、残念ながら、現在の資格制度のなかでは無理が多い。
疾患の改善には、最低でも1ヶ月の継続が必要であり、改善が認識されても、安定には食生活の健全なスタイルを継続する必要がある。継続し数十日間空腹を我慢することは、現状ではほとんど困難である。空腹感を感じずに継続できる食生活の確立が望まれている。


食文化と文化密度の関係

京都・大阪・神戸関西三都の食文化

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京都、大阪、神戸市民の食生活と環境及びメタボリックの関係