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関西文化とロハスデザイン

三都の食生活の違いを分析し、食生活の違いから生じる精神性や産業構造の違いを 分析することによって、食習慣から作り出される生活習慣や精神性を探索し 時代の課題として検証します。

京都、大阪、神戸市民の食生活と環境及びメタボリックの関係

◆農業生産の問題点、食物連鎖によるメタボリックシンドローム

では、なぜ京都市、大阪市、神戸市の3都市の市民の健康に差が生じているのか、その原因は、他にも存在している可能性がある。
地方都市と政令都市との違いがこれまで取り上げられたことがある。地域格差は各地域の食生活の嗜好性として存在しており、生活者の運動量の格差を測定したデータは見あたらない。東京都は交通機関が発達しており、自宅から徒歩で公的交通機関を利用し通勤されている。自動車で移動する比率が低く、サラリーマンの多くが通勤という運動をしている。しかし、その反面、都心のサラリーマンは、一端オフィスに入るとオフィス内部の活動が多く、オフィス内部の運動量は少なくなる。往復通勤時間の厳しさから休日は昼中遅くまで屋内で休んでいるサラリーマンが多い。
他方地方のサラリーマンは通勤では自動車の利用が多く歩くことは少ないが、休日には、農作業や軽労働が多い。京都市、大阪市、神戸市のサラリーマンの運動量は、それほど大きな違いがあるようには見えない。
運動量の地域格差を計数的な捉えることは、かなり困難な作業である。

■品質の低下
食材の生鮮3品の購買量には大きな格差は存在しない。
調理とメニューそしてレシピから嗜好性の違いがある。その違いをより大きくしている要因の一つとして考えられるのは、農業生産の現場から生じている問題、食品の品質の低下、品質の劣化が激しく、食品素材の品質低下が調理方法による格差を広げている。
農産物の多くが、基礎的栄養成分のばらつきが多く、栄養分析データの4訂5訂のデータと違い、脂質の多い食材は一層多く含有し、ミネラル類やビタミン類の含有量は反対に低下が激しい。食材の品質の格差をどのようにな調理技法で補うかを説明していない。
多くの消費者が食材の善し悪し、見分け方が解っていないことにも原因がある。
食材の品質から調理方法を考えていない。

日本で販売されている食材の品質はここ数十年間で大きく変わっている。
品質が変わった理由は、農産物の価格、農業生産の現場に求められている経済性にある。
米や野菜、家畜の肉類、乳製品も全て生産や飼育の段階で生産性が求められ、自然のサイクルから生育スタイルは大きく逸脱している。経済性は、量と価格が優先し、品質や環境を度外視し生産されてきた。
農産物は常にその時代の経済サイクルに影響されている。
農業生産が安定し、永続するには、環境、省エネ、健康そして共生の精神は欠かせない。
共生には、自然との共生、地域での共生、経済バランスにおける共生
が欠くことができない。
過剰な経済規模の拡大と発展は、より安く、大量に生産できる場、圃場と資本力を保有している国や企業だけが競争から生き残る。企業間競争から生き残る生産方法と共に、その地域の環境汚染面積は拡大する。これまで、農業生産の規模拡大から生じている地域環境負荷や汚染地域の拡大を阻止する世界的な規制は、ほとんど存在していない。一部の農薬の規制だけである。
農業生産の規模拡大から生じる環境汚染は無視されてきた。農業製品の価格には環境汚染への代償は組み込まれていない。生産や飼育の規模を拡大し、大量生産、大量飼育を安定させるには、欠かせない要因は、大型機械化、施設の大型化と共に農薬、化学肥料、ホルモン剤、成長ホルモン、抗生物質の量である。どの項目を取り上げても環境負荷の原因因子である。
この問題は世界的な課題である。
先進国は経済的な有利性を確保することが目的で、常に貿易の自由化を優先し、世界的な飢餓を救う方法が大量生産とその効率と説明してきたが実態は、全く逆でコングロマリットの収益を優先した政策である。その結果は圃場の劣化を早め砂漠化と塩化の大地が増加し、再生が困難となった大地と貧困地域が拡大している。広大な面積の自然樹林の大地が失われてきたのである。
周年栽培で効率化を進めた日本の施設園芸のなかでも野菜生産は、生育期間の短縮が主流になり、化学肥料による高濃度の硝酸イオン、亜硝酸イオンを含有する野菜が氾濫した。見た目は土が付かず、衛生的に見えるが、栽培期間の短いひよわな野菜が多く、これは野菜のメタボ栽培である。EUでは野菜に含まれる硝酸イオン値の最高は、3000ppm以下と規制されているが、日本の葉の野菜流通は5000ppm~8000ppmが普通である。EUの安全基準値の数倍で多くが流通されている。
健康に良いとされている、緑黄色野菜のホーレンソウ、小松菜、リーフレタス、青梗菜などである。他に果菜のキュウリや根菜のゴボウ、里芋、こかぶなども硝酸イオン値の多い野菜が目立つ。

これらの商品の善し悪しの判断は、消費者の目に任されており、生産者、流通業者やJA組織、行政は目を瞑っているだけで、無頓着である。理解していない場合も多い。
4訂、5訂の食品の栄養分析では、硝酸イオンはタンパク質に加算されている。総窒素換算が一般的なタンパク質の計算になる。実際は異質の物質で、健康には好ましくない素材である。栽培効率を上げるために液肥を使うと亜硝酸イオンが多くなる、ワインには酸化防止剤として、肉加工品では発色剤として利用する、その量の規制値は0.1ppm以下であり、液肥を使うと100ppmにも含有することがある。亜硝酸イオンはガンを引き起こす有毒な原因因子である。
カロリー計算では、タンパク質の重量に4をかけ算した数値になる。

■野菜売場の現状
メタボリックシンドロームの改善には必ず野菜の摂取量を高める指導がされているが、野菜の品質を見分ける指導は、全くされていない。
野菜の多くは、水分が約90%残りの約10%に健康に寄与する栄養成分が含まれている。硝酸濃度が5000ppm含まれていると100gの野菜では0.5gの硝酸濃度が含まれることになる。野菜の水分を取り除いた状態からみると、約5%の重量に匹敵する。
次の写真は、最近栽培されている小松菜である。ほとんどがこの写真のように密植されて栽培されている。右が店頭の販売されている小松菜である。
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密植されている小松菜の茎は白く太陽光線が到達していないことが示されている。
右の写真は、左側が有機表示で右は有機表示ではない。硝酸濃度はどちらも、EU基準を超えた数字5000ppmと6800ppmと高い。有機表示であるが、茎が細く、密植の形状である。このように密植して栽培されている場合に液肥の利用が多い。
下の写真左は理想的な小松菜の栽培されている形状である。茎がしっかりと太く、ひ弱な感じが見られない。右の青梗菜もしっかりと茎が太い、このような形状の野菜がSOD活性の高い野菜になり、健康に結びつく。美味しい小松菜や青梗菜、葉野菜を選択する見本である。このような形状になると硝酸イオン値は1000ppm前後になり、野菜の甘みが増加する。
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但し、この小松菜を売っていた百貨店の担当者は、ひねた小松菜、ひねた青梗菜として安く扱っていた。
野菜の売り場担当者が商品の判断ができていない、同時に青果市場の扱いもそれほど変わっていない。多くの場合は、中卸しの話をそのまま、受け売りしていることが多く、実際にデータ分析や試食をして判断していることは希である。
生産者はせっかく努力して栽培しても正しい評価が得られず、市場価格は低くく、生産者手取りは少ない、適当な栽培がむしろ高い評価になるために、メタボ野菜が氾濫した。

■食材のメタボ化現象
米はどうか、日本の米の品質に地域特長が少なくなった。栽培されている多くの品種が早稲種である。こしひかり、ササニシキ、あきたこまち、西日本産地も早稲種が多い、米の収穫時は夜間の外気温度が20℃を切らなければ美味しい米にはならない。早稲種の米は早い産地は8月の末、多くが9月の中頃に収穫に入る。地球の温暖化は開花時期の高温現象と収穫時の高温で過去の優良産地も品質が低下している。米の品種は地域の特長であり、その地域の水と調理に馴染んで育てられてきた。中晩成種の美味しい米を作られなくなっている。
米の粒子が小さくなり、全体に味覚も低下した。窒素過多の環境で生産された米が目立ち、基礎ミネラルが低下している。窒素過多の土壌で栽培されていると一斉に開花せず、ばらつきが多い、そのために収穫時の粒子の大きさや熟期のばらつき、青米が多くなる。
基礎ミネラルは栽培期間で蓄積され含有する。糖尿病や人工透析の患者さんに低タンパク米の要望は多く、求められている値は、タンパク質の含有量が5%前後である。この値は約20年前の酒米の基準値とほぼ同等である。
最近では総タンパク質の含有量が7%の米も販売されている。粒子全体に小さく、その上に品質が大きく低下している。
米の多くが粒子の小さなメタボ米になっている。

家畜はどうか、家畜は常に海外との過当競争の対象になっていた。古来日本の家畜の飼育は、水田や畑作の経営に不可欠な農耕や循環的農業では欠かせない堆肥の量のバランス、圃場の大きさに見合った頭数管理のなかで雑穀の残渣、野草などの等外品を餌として与え狭い面積のなかでバランス良く循環し飼育していた。同一場所に大量に飼育する米国の家畜飼育の考え方と全く違っており、自然サイクルを維持する家畜飼育の方法で飼育されていた。大規模飼育の価格競争には全く太刀打ちできないのは当たり前である。小規模な家畜飼育のスタイルはほとんど淘汰され、企業として家畜専門農家として飼育されている。家畜飼育のスタイルは工業生産と同じ土俵の上で価格競争の輪に組み込まれた。動物愛護の精神を求める同一欧米人とは思えない現状で欧米では多くの家畜が飼育されている。
ブロイラーの最短飼育期間は75日~90日、この日数で従来の200日間飼育されていた期間の若鶏の重量で仕上げられる。鶏舎は10万羽~20万羽の単位で、24時間一度も大地に足を入れることなく寝ずに餌を啄で、一羽一羽、完全に分離され、前を向いたままの状態で一生が終わり、加工処理に運ばれる。過密な飼育では抗生物質は欠かせない。水分と脂肪過多で飼育され、脂肪質に多くの抗生物質が蓄積される。
豚の飼育期間も短くなっている、飼育期間は短縮されたが、同じ約200kgで出荷されている。生涯一歩も屋外に出ることが無く、衛生管理の名目で隔離飼育されている。成長ホルモンと抗生物質のお世話になっている。鶏や豚、牛の飼育は、飼料の費用と出荷時の販売価格で採算性を割り出す。如何に飼料費を抑えるかが採算であり、飼育期間が短くなれば飼料費は抑えられる。
飼育期間の短縮は、短期間に大量に餌は与えるが、誕生から出荷までに与える餌の量が少なくなり、経済効果が高くなる。
乳牛は、過去には平均10年間は飼育されていた。一年単位に休ませて、健康な母体を確保するためである。

日本も各地でBSEの問題が生じ、BSEの対象となった多くの乳牛の屠殺年齢が暴露された。多くが6才の乳牛がその対象になっていた。なぜ飼育期間が短くなったのか、乳量を上げるために毎年出産させており、牛の母体が持たなくなり、早いサイクルで屠殺に回っている。与える餌の費用と乳量とのバランスで飼育される。
乳質は母体の健康によって決まるが毎年出産させ乳量を確保するために母体の健康を守る基礎概念は無視されている。健康な乳牛の母体から安全な牛乳が得られるが、経済を優先すると、健康な牛を育てる意識よりも乳量の確保が優先される。健康な母体を維持できなくなった廃牛は、年間約100万頭、そのまま屠殺され牛肉として流通している。
食の安全や、健康的な生活の話題に牛乳の摂取の善し悪しがたびたび取り上げられ話題になっている。牛乳が体に悪いとする説まで飛び出した。
牛から見れば、大きな迷惑である。人間の経済性から健康を無視した飼育環境に追いやり、牛乳が健康に良くないと批判されてはかなわない。

他方で牛乳の摂取を批判しながら霜降り肉を好んで食べている映像が放映されていた。
霜降りの牛は、正にメタボ牛の象徴的存在である。
鮮魚はどうか、市販の魚を見ると安定し常にショウケースに陳列されているのは、養殖の魚である。鯛、ヒラメ、サーモン、ハマチやブリ、淡水魚の鰻に鮎、鱒、ヤマメ等、餌を与える価格と市場価格から養殖期間は決められ、如何に早く大きく育てるか、経済サイクルを優先する。天然物との価格格差は養殖物が1/2の場合もある。魚は天然物と養殖物では味覚の格差がはっきりと表れやすく、過剰に脂がのりすぎている。メタボ魚が多い。
食卓を飾っているのは、メタボ野菜に、メタボ米、メタボ鶏、メタボ豚、メタボ牛そして牛の健康を無視された牛乳、メタボ魚である。
日本の食卓を飾っている食材の多くが、メタボの環境で生産されている。この生産の現状を早期に改善することは、ほとんど不可能である。
メタボリックシンドロームの改善に対して、食材の選択とこのように生産されている食材をどのようにして、調理すべきか、指導や指摘は全くされていない。


食文化と文化密度の関係

京都・大阪・神戸関西三都の食文化

食生活の違いと産業構造

京都、大阪、神戸市民の食生活と環境及びメタボリックの関係