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火に学ぶ

道元による調理の心得とは、「喜心」「老心」「大心」の三心が大切とされています。 それは主に食べる人への心配りを指しているのですが、科学の発展した今、調理時の熱エネルギーについての正しい知識をもつことで、人だけではなく環境へ配慮することも求められています。

火の性質と調理加熱

◆火の質

 ■火の質について
hinoshitsu01.jpgこれまでに、調理と水質の報告は多いが、調理に欠かせない、火や熱の質についてあまり指摘されていない。
調理方法に加熱する言葉の種類が多く存在することは火の質を利用した言葉の表れである。日本料理の現場で調理加熱に多くの工夫がされてきた経験から味覚を整える方法の一つに、加熱温度のバランスを取る工夫が見られる。
加熱の熱加減によって味覚が変わることを経験的に会得し、伝えている。
味覚が変わるのは、加熱の方法によって基礎的な栄養成分の含有量が変化するからであり、タンパク質、ペプチド、アミノ酸類の含有量は加熱方法の温度帯とその輻射する波長の領域で変化する。
火や熱に質が存在することを、これまで言葉では表現されていないが、味覚を判断する舌は昔から知っていたのである。

火には、火、熱の質の違いがあり、その質とは、火や熱の温度と火や熱から輻射する波長の領域と波長の密度が、火や熱を発生させる材料によって輻射する火力、エネルギーの違いがある。
アルコールランプの火、材木の火、材木の種類による火の種類、炭火にも素材の種類による火の種類に違いがあり、雑木から作られた炭の火、備長炭の火、ガスの火、都市ガス、プロパンガス、ブタンガスの火の質に違いがあり、電熱のニクロム線の火、コークスの火、石炭の火等、温度と熱を出す素材によって熱輻射には波長の領域と密度が異なる。
熱エネルギーはこれまで総カロリーやジュール、ワットで計算する事が多く、熱が持つ波長の領域となるピークから総カロリーやジュール、ワットについて説明されることは少ない。
輻射する波長の領域の違いは、釜や鍋の材質によって同じ温度で加熱しても、輻射される波長の領域に違いがあり、波長のピークとなる温度と密度の差があり、総熱エネルギーにも差が生じる。
調理道具に利用されている素材、鉄、ステンレス、アルミ、銅、スズ等、それぞれの金属の種類によって同じ加熱温度でも、火元から熱伝導し、素材から輻射される波長の領域に違いがある。

土鍋、土瓶でも燒結に利用する土の材質によって輻射波長に違いがある。
古代から使われた石や煉瓦もその材質によって、同じ温度でも輻射波長に違いがある。
水の質は、カルシウム、マグネシウムの量及び総イオン値によって決まり、火や熱の質は火や熱の温度とその温度から輻射する波長の領域とピークとなる密度の位置によって違いがある。

火や熱の温度が高いほど波長の領域の範囲が広がり、密度が高くなる。熱エネルギーは温度と波長の領域とその密度を積分した総量である。
物理学的には、プランクの黒体輻射の原理(※)から、熱エネルギーは、温度の4乗に比例し大きくなる。

※黒体輻射、黒体放射とも云い、理想的な黒体のなかで、放射される熱のエネルギーは、 温度と波長又は波数によってきまる。-ブランクの黒体輻射の原理

どのような物質も加熱すると物質が有する輻射波長の領域があり、その領域は一定ではない。
どのような物質も、吸収できる波長領域があり、物質によって吸収する領域は、異なり一定ではない。
熱から放射される波長は、光の波長と同じように、物質が吸収すると、エネルギーに変わり、吸収されない波長は、反射されるか、透過するか、屈折する。
人間が見える可視光線の波長は、吸収と反射、透過、屈折の比率によって色となって見えるが、熱から放射される赤外線の一部は見えるが、遠赤外線の波長は目で確認することができない。
水には水の熱吸収する波長の領域があり、食品には、それぞれ異なった熱吸収波長の領域が存在する。
水の吸収波長は、2.5μm~3.5μmの領域と小さな吸収波長6.5μmにあり、吸収波長のピークは3.0μmである。多くの食品が持つ吸収波長も2.5μm~20μmの範囲が熱吸収の波長である。
有機物が持つ熱吸収する波長の領域は狭く、限られている。
アミノ酸類、タンパク質、脂質、糖質もこの領域に吸収波長が存在する。
アミノ酸類の分析では各種のアミノ酸が有する吸収波長を分光光度計から計測する。
食品が有する吸収波長のピークは、食品に含まれる水分、アミノ酸、炭水化物、タンパク質、脂質等によって異なる。
この波長の領域は、赤外線、遠赤外線波長の領域の一部になる。
有機化学では組成を判断するのに、分光光度計でそれぞれの物質の吸収波長の特性から分析し判断する。その多くは2.5μm~20μmの範囲の波長を測定する。
加熱温度が高くなると波長の領域が広がり、食品の加熱に必要な吸収波長の領域を超えて放射される。
高温になると波長の領域が2.5μmから1μmに近い波長に広がり、有機物が吸収出来ない波長の密度が高くなり総熱熱エネルギーは大きくなる。(図-1波長の分布を参照)

shitsu01.gif食品が吸収できない波長は、反射又は透過又は屈折する。
反射した波長は、反射面に熱エネルギーが生じ、反射波長が必要以上に大きくなると"こげる"現象が生じる。
調理品が高温になると"こげる"現象である。
調理は、黒こげになると商品価値を失う。
表面がこげているが内部に熱が入らず、生のままの状態なのは、魚を焼いたり、肉、サツマイモでも、たびたび見られる現象であるが、表面の反射波長のエネルギーが大きくなり過ぎ、内部に熱が伝わっていない現象である。
食材が吸収できない波長を高い密度で照射したことを示している。
"こげる"現象は、食品の種類によって異なることは、調理を経験されると解る事である。


■調理における日本料理の工夫
日本料理の多くが食品に水を加えて煮るのは、火や熱の波長領域が広がっても、水の沸点100℃以上にならず、こがさない工夫からである。
調理道具の多くは、加熱の工夫、食材をこがさないために、火加減を安定する方法を工夫し、波長密度のバランスから味覚を整える調理方法や道具に名称が生まれている。
調理に最適な温度と波長の領域を経験的に判断し、調理道具を作られており、調理の現場では、調理道具と火加減の仕方を何年もの経験から、修行として教えている。
世界各地の料理の加熱方法と日本の調理加熱の方法を比べると、日本は、調理加熱に利用する小道具の種類が多く、加熱方法を複雑に取り入れ味覚を作る作業が多い、素材の味覚を引き出す工夫から作られており、このことからも感性的に科学的な創造力が豊かな民族であることが云える。
日本人の科学文化を構築した基礎の一つが調理の技術から食文化を生み出しており、生活文化から科学文化を作り出したと云っても過言ではない。
同時に食の感性が豊かな民族とも云える。



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