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火に学ぶ

道元による調理の心得とは、「喜心」「老心」「大心」の三心が大切とされています。 それは主に食べる人への心配りを指しているのですが、科学の発展した今、調理時の熱エネルギーについての正しい知識をもつことで、人だけではなく環境へ配慮することも求められています。

火の性質と調理加熱

◆使い古した調理器具の良さ

■かまどの工夫
日本の竈、おくどさんも粘土と石を組み合わせて作られ、長く日本人の食生活を支えた。
日本の家屋の多くは、木と土と紙、わら、茅、瓦で作られた建築物では、家屋の中で火を焚くことは大変火災の危険性が高く、危険性を回避する構造として、石綿の煙突が作られるまでは、竈は外壁に沿って作られておらず、台所の中央、天井までが高い位置に作られていた。竈から火の粉や煙が立ち上がっても、火力が衰えるまでの高さの工夫が見られる。
竈が壁に沿って作られたのは、石綿の煙突が作られた明治時代からである。
煙突の材料は、最近健康被害として話題になっている石綿を燒結し作られていた。
断熱効果が優れている石綿の材料は、当時は画期的な開発であり、多くの家屋の構造や台所の配置を改善した材料の一つである。
ご飯の美味しい炊き方に、「始め、ちょろちょろ、なか、ぱっ、ぱつ、赤子が泣いてもふたとるな」とされているが、始め、ちょろちょろで炊飯の火加減をする必要はなく、火力は、始めから水や米が吸収できる波長と温度を加えると味覚には良く、ご飯が美味しく炊けるには、遠赤外線波長のなかでも、2.5~20μmの波長の領域の密度を高めて輻射させ、米に、この波長の密度を高めて、早く吸収させることである。

では何故、始めちょろちょろと教えたのかを、もう一度、昔の竈で再現してみると意味が解る。先ず竈の構造を見てみよう。竈は石と煉瓦に粘土で出来ている。
火力を始めから大きくすると竈の内部と外部の温度差が生じ安い。温度差は、竈にひびや割れが生じやすい。竈のひびは火災の原因になる。
土鍋を直火で炊く時に火力を一気に上げると割れやすいのと全く同じである。
その他に、木を燃やすのに始めから火力を上げると火の粉が飛び散りやすい。
生木を燃やすとなおさらである。竈は始めから大きな火にすると熱効率でも無駄が多い。
火の粉が飛び散らない火の燃やし方を教えているのであり、火災の予防として教えている。
竈の構造は、一度高温になると遠赤外線の波長領域が長く維持できる構造であり、予熱の時間が長く維持できる。ご飯が吹き出しても蓋を取らずに予熱を利用し、蒸らしで美味しくなることを教えている。


■中華料理と遠赤外線波長
中華料理では調理人の特芸として大きな鉄鍋を火の上におき、鍋に油を入れ、油が鍋のなかで踊り始めると、野菜を入れ、鉄鍋を傾けながら野菜を激しくかき回す、鉄鍋の大きさと中に入れる具材の量は、一見してアンバランスで、鍋の大きさに比べると野菜の量は少なく、調理人の見栄のために大きな鉄鍋とゲートルを振り回しているようにも見える。
この調理方法は、中華料理人のパフォーマンスではなく、鍋を高温にして、遠赤外線の波長を早く野菜に吸収させ、油の香りと野菜の味覚を馴染ますための作業である。野菜と油が馴染み安くするために、野菜の切り方は、ギロチン式にたたき切る方法である。
野菜のカットされた断面が、細胞破壊され、断面から油や波長が浸透しやすくする工夫がある。具材の切り方と同時に具材を鍋に入れていくにも順番があり、その順番は、遠赤外線の熱吸収率から選択されている。
鍋が大きいのは、高温になり、野菜がこげつかないように、鍋の側面から高温の熱を熱放射させているのであり、鍋を振り回しているのは、熱放射の作業であり、こがさない工夫である。調理人の見栄ではない。
最後に仕上げる味覚、あんかけは、既に鍋の火力が安定しており、火を消してから整えられている場合と火力を強めて一気に仕上げる方法を調理内容から選択されている。

黒い鉄鍋は、遠赤外線の波長領域の密度が高く輻射している。
中華料理にぴかぴか光った、ステンレスやアルミの鍋は見られない。もし使っていたとしたら、味覚音痴か素人か新前の調理人である。
世界のなかでは中国が古く殷の時代から、鉄鍋の利用が始まり、現在の中国料理として伝授された調理方法である。
中華の切り方は、大きな包丁でたたき突けるように切り、和食は鋭利な包丁で引きながら切る。細胞面を潰して切るか、細胞面を壊さないように切るかの違いである。
和食は煮くずれを嫌い、細胞面を壊さない、調理が普通である。


■使い古した調理器具の良さ
都の錦通りに古い出汁巻きを焼く、三木鶏卵の老舗がある。
卵焼き機は機械化された機器があり、人手による作業は無駄なように見える。
錦通りから見ると、多くのベテランの職人が並び、長方形の古く、真っ黒な鍋も並んでいる。
かなり年輩のおばちゃんや職人さんは、黒い鍋を大事にしている。いつも同じ人が同じ鍋を利用されている。

 食品の加工現場は、清潔がモットーであり、黒くなった鍋は、清潔感とは少し懸け離れている。三木鶏卵は古い老舗であり、東京や大阪、京都の百貨店に出店されている。
百貨店の販売担当者はこの現場を見ると、きれいに磨き上げた鍋を使わないことに、苦情が出るかも知れない。
出汁巻きは、普通の卵焼きよりも、焼き方に難易度が高い。
出汁の水分と卵のタンパク質の配合バランスによって味覚が決まり、卵のタンパク質に出汁の水分を含ませ、馴染ませながら焼く工夫が必要である。焼き上がり温度と波長領域の密度を間違うと、冷えたときに、出汁が卵のタンパク質から流れ出る。出汁が分離すると出汁巻きの価値がなくなる。一見、卵に出汁を加えて丸儲けに見えるが、卵よりも出汁の方に、手間ひまが掛かり工夫もされている。
出汁の価格方が卵よりも高いかもしれない、出汁の工夫と焼き方、波長の領域の選択で全体の味覚がきまる。
卵を低温で焼き、低温で出汁を含ませる技術こそが三木鶏卵の命である。

京鍋は、職人の手の一部であり、年代を得ている。鍋の火加減は、遠赤外線の吸収波長を取り入れる最適な火の温度とのバランスが鍋の上げ下げの作業によって芸術的に取られている。
この技を機械に取り入れるには、出汁巻きの吸収波長をインプットしなければ、困難であり、真っ黒に使い慣れた鍋の放射波長を測定し、鍋の上げ下げされている時の波長を取らなければ、同じように焼くことは、困難である。
まっさらな連続卵焼き機を新たに導入しても、多くの工場ではまともに卵焼きが出来ない事例をたびたび見かけた。その原因は、卵に必要な熱吸収波長から機器開発が行われていないためである。ぴかぴかに光ったステンレスの鍋では、遠赤外線の波長が卵に輻射される率が少なく、こげて鍋にひっつくだけである。

平成7年頃に秋田県と青森県の県境に山間地対策として鶏卵加工場が作られたが、工場が完成して6ヶ月間の間、来る日も来る日もおしゃかの卵焼きの連続で、工場完成後一度も完成品を見ることもなく、工場は閉鎖された。
同じ錦通りに有次の割烹調理器具の店がある。手作りの銅の鍋、銅の天ぷら鍋がある、値も立派であるが調理の波長からみると伝統の意味が含まれている。
銅鍋の熱輻射の波長から見ると伝統工芸と調理人の意気込みを感じる鍋である。
大阪のたこ焼き、焼きそば、お好み焼き、神戸の明石焼きも同じように黒い鉄製を使う。
黒い鉄製の焼き器からでる波長が、お好み焼きやたこ焼き、明石焼きの味覚なる。
焼き肉やステーキの鉄板も同じである。
ステンレスのピカピカに光った鉄板で焼くよりも、黒い鉄製の鉄板の方が美味しく焼ける。ステーキは鉄板よりも陶板の方が味覚がよい。
今流行のHACCP衛生管理の指導者が立ち入り検査を行うと黒い鉄板はクレームになるのではないかと心配である。HACCPの衛生管理者が生産過程で必要な熱放射に関する波長特性を理解しているか、疑問である。


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