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道元の教えに学ぶロハスデザイン

 
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火に学ぶ

道元による調理の心得とは、「喜心」「老心」「大心」の三心が大切とされています。 それは主に食べる人への心配りを指しているのですが、科学の発展した今、調理時の熱エネルギーについての正しい知識をもつことで、人だけではなく環境へ配慮することも求められています。

火と文化

◆火と調理の歴史

■料理の味を決める調理の火加減
人類は食べるために工夫し、食べるために学び、安定して食べるために、科学を進歩させ経済力を蓄積してきた。生きるために食べ、生命を維持するために食べ、食べるために、安定した量の確保が必要になり、栽培や飼育がはじまった。美味しく食べたい願望から道具の工夫が始まった。食べ物を安定して入手できることが、生活の安定の第一歩である。安定した食生活のために、日々勤勉に働き、科学を進歩させ、安定した経済的基盤の構築に努力する。美味しく食べたい、美味しい食物を食べたいとするその願望は、科学の進歩や社会の変化、年齢や男女に関係なく、生きている限り、不変である。美味しく食べる工夫は、既にエジプトやユーフラテスの前の古代文明の頃に見られ、パンを焼く炉が作られている。今も、中近東のパン、インド料理のナンを焼く釜は、当時の技法を利用している。
ローマ帝国の崩壊は、国民の飽食が原因の一つともされている。日本も、バブル経済の頃は、飽食で沸き上がり、世界中から美味いとされる食材をかき集め、喰い散らかした。飽食の時期が終演に差し掛かると同時に経済の低迷が始まった。テレビや新聞紙上から飽食の報道が静まりかけるころから、生活習慣病として、癌、糖尿病、心疾患、脳血管障害の疾患が国民に急速度に広がり始めた。飽食と健康的な美食とは、根底から違いがあることを多くの日本人は、体験し実感したはずである。

健康的な食生活を見直す傾向が強くなり、有機農産物の生産や身土不二、産地地消、その地域で栽培し、採集される食物を摂取することが健康な食生活とする運動が各地から広がり始めた。
人々が美味しいと判断し、何百年も継続されている食べ物の多くは、生理的、栄養学的、医学的にも健全で、健康な生活を維持し、長寿を作る要素になっている。東アジアのモンスーン地域の人々の主食は米であり、西アジアの乾燥地域の人々は麦がその代表的な基礎的食材である。農産物が地域に定着するには、安定した栽培と食べる工夫が一体となって、始めて地域の食文化として育まれている。
人類は世界各地で "美味しく食べる"ために様々な工夫をしている。パンを焼く炉、パン生地を粉体にする石臼、井戸や地下水路、水を貯める水瓶、貯蔵するための瓶、調理に必要な道具、竈や炉、釜や鍋、調理道具、発酵食品の道具、世界各地に特色があり、独自性があり、個々に違いがある。

熱帯の鉄加工技術が進んでいない地域も、食中毒の危険性を回避する技術と共に美味しく調理する加熱の工夫が見られる。
子豚の丸焼きでは、内蔵を取り除いた腹のなかにタロイモの皮をむいて入れ、塩を豚肉全体に塗りつけ、大きなバナナの葉を何重にも全体に満遍なくくるみ、その上に粘土の強い赤土を3cm程度の厚さで塗りつけ完全に肉を被い、たき火に石を並べ、炊き石が完全に加熱されるとその中に入れ、5~6時間かけて加熱し赤土がボロボロの須恵器の状態になるまで焼き上げて取り出し食べている。豚とタロイモが蒸し焼きになり、豚の脂がタロイモに混じり、大変美味である。

調理の多くは、水加減と火加減の工夫をする作業である。食物を炊く、煮る、蒸す等の調理では水加減と火加減、水の量と火力の加え方、火の質によって、味覚が変化する。
直接加熱しない、発酵食品でも、食材に含水している水分率とその水質、外気の温度によって安定した発酵条件が得られる。日本の調理も、基本的に、水加減及び火加減によって作り上げられる。水加減だけでは、美味しく調理はできないし、火加減だけでも、調理は美味しく出来ない。食品素材にはそれぞれ含水率があり、基礎的な栄養成分の含有量と含水率の違いを判断し火加減をしている。古代から、美味しく食べるために水加減と火加減の工夫を経験によって積み重ねられ、今の調理技術に到達している。


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