調理加熱の方法には、直接加熱と間接加熱があり、先進国で直接加熱の調理を好む民族は、主に雑穀類を粉体にして、炉を作り、煉瓦の輻射熱を利用し、パンやナンを焼き、羊や牛の肉も炉に入れて焼いている。世界的に見ても豚はあまり直火で焼いていない。豚肉は直火で加熱すると温度むらが生じやすく、加熱温度が均一になりにくく、加熱が不十分な部位を作ると食中毒の原因になりやすく、全体にしっかり時間を掛けて加熱される加工が多く、蒸し焼きや煮込み、塩分を多く入れたハム等の加工が多い。食中毒や伝染病による集団的な死亡例は過去に多く、コレラ、赤痢菌は現在でも各地で発生している。経口伝染病の一つコレラ菌による伝染病の歴史は古い。家畜のなかでも豚は、コレラ菌の感染に強く、豚コレラに感染した豚肉から人類に伝染し死亡した事例は多く、豚の加熱は世界的に慎重である。回教徒では豚を食べない教えがあるが、汚れた動物として見られている。回教徒の多い中近東では、直火的な調理が多く、豚肉を直火で加熱すると加熱むらから生じやすく食中毒の回避が禁止の主因とも考えられる。
間接加熱には、金属製の鍋や釜、鉄板、陶磁器、煉瓦、石、土等を利用している。鍋や釜を利用した加熱には、大別すると次のような分類できる。1.水を利用した加熱 日本料理に見られる煮る、炊く、蒸す等の調理2.植物性の油を利用する地域、 中華料理、韓国料理、エスニックの炒める、揚げる調 理3.動物性の脂肪や乳製品を利用する地域 西洋料理、ロシア料理の煮炊き料理
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